銀時×土方2
□メイド狩りにご用心
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真選組副長、土方十四郎の私室。
そこで局長である近藤、一番隊隊長の沖田、監察筆頭の山崎が雁首を揃え、神妙な面持ちで部屋の主の前で鎮座していた。
「で?」
部屋の主である真選組副長土方十四郎は銜え煙草を噛み締め、怒鳴りつけたい衝動をどうにか堪えながらそう尋ねた。きっと目の前にいる雁首に近藤が混じってなければ、即座に抜刀の上、問答無用に放り出されていただろう。
その点このメンバーに近藤を入れた沖田は、伊達に付き合いが長いわけではない。
「だからな、トシ。今メイドさんたちは大変なんだそうだ」
「それと俺とどう関係があるってんだ?」
常にない真摯な近藤に、土方は怒りで声を震わせながらどうにかそう答えた。そろそろ煙草が食いちぎられそうだ。当然近藤は、そんなことに気付くわけもない。
「土方さん冷てぇや。いたいけなメイドさん達がどうなってもいいってんですかィ?」
ヨヨヨっと泣き伏す沖田に向ける土方の視線は、絶対零度の冷たさだった。
「前もそんなこといって、えれぇ目に合ったよな?」
夏の真っ盛り。祭りに痴漢の集団が出るからといって、ゴスロリ浴衣を着せられ囮にさせられた記憶はまだ新しい。あの時は痴漢たちに強姦されそうになるし、高杉にキスはされるし、結局銀時にバレて後でお仕置きされるしで、散々だったのだ。
「トシィィィ!!このままエスカレートして、キャバ嬢が狙われるようになったら、大変なんだよォォォ!!!」
詰まるところ、それかい!!という土方の突っ込みも虚しく、彼が近藤の頼みを断ることなど出来るわけがない。
結局山崎が手に持っているメイド服に、着替える羽目に陥ったのだ。
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