銀時×土方2

□家庭円満の秘訣
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レポートを半分ほど仕上げたところで力尽きた銀時は、朝一番にホームセンターに出向き、木材を購入した。
この時ほど、免許を持っててよかったと感謝したことはない。
買ってきた木材を庭に運び込み、腕捲りをする。
サイズは早くに起きて、買い物に行く前に測っておいた。どうしても手伝うと言ってきかなかった土方が、箒に跨って飛び上がり、ソーゴと二人で測ってくれたのだ。
これは思った以上に効率よく、礼を言うと彼はよほど嬉しかったようで、頬を紅潮させはにかんだような笑みを浮べた。それはとても愛らしくて、思わずとくんと心臓が鳴ったが、銀時はそれを気のせいだと無理やり胸の奥底に押し込んだ。
しかし、それからが拙かった。

「銀時。俺、何かすることないか?」
「ない。大人しく見てろ」

どうもトーシローは魔法が下手なだけでなく、手先も恐ろしく不器用のようだ。試しに先ほど少しだけ切らせてみせたのだが、少し切るだけでどうやったらそこまで歪むのかと思うほどの切断面で、銀時のこめかみに思わず青筋が立った。
トーシローも、自分の不器用さは分かっているのだろう。それ以上は何も言うこともせず、少し離れてじっと銀時を見詰めていた。
その瞳は哀しげに揺れていたが、これ以上下手に手を出されて時間を食うわけにはいかない。
銀時には時間がないのだ。
銀時は非常に器用である。この時ほどそれに感謝したことはない。どうにか両親が帰ってくる夕方までに、見た目には誤魔化せる程度には仕上げたのだった。




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