銀時×土方2
□家庭円満の秘訣
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食事を終え、そのまま入浴も済ませた。部屋に帰ると、トーシローがフローリングの上で丸まって、寝こけている。
「よく寝るな……」
初めて会った時も寝ていた。いや、あれは失神していたのだろうか?そういえば何故あの時、彼はこの部屋にいたのか。聞いていなかったことに今さら気付いた。
寝顔を見ていると、確かにとても愛らしい顔をしている。年は銀時より、2,3歳ほど下だろうか?
「見惚れやしたか」
「おわっ!」
突然視界に入ってきたソーゴに、銀時は奇声を発して仰け反る。それをソーゴは無表情に眺めていた。
「な、何を……?!」
「土方さんでさァ。一応これでも、オオエド一の美形って言われてるんですけどねィ」
それは素直に認めよう。確かにトーシローは綺麗だし、可愛い。
但し、結婚云々はまた別の話しだ。これとそれとは、次元が全く違う。
「だからって、男を嫁に貰う趣味はねェ」
「チェ」
「何?オメェは俺とこいつをくっつけさせたいの?」
どうもソーゴはトーシローのことを馬鹿にして苛めているように見えるのだが、違うのだろうか?気になり聞いてみると、ソーゴは嫌そうに顔を顰めた。
「魔法使いと使い魔は一心同体なんでさァ」
「一心……?」
「使い魔は魔法使いが誕生するのと同時に生まれやす。使い魔は一生を共にその魔法使いと過ごし、サポートするんでさァ。使い魔は魔法使いがいなけりゃぁ、生きていけやせん。その活動力は魔法使いの発する魔力ですからねィ。で、その魔力は感情によって、ひどく質が変わりやす」
ソーゴの言ったことを、銀時はもう一度じっくりと頭の中で整理する。同時にどうやって生まれるのか、などよく分からないが、とりあえずソーゴはトーシローがいないと生きていけないということだろう。
「つまりオメェは、トーシローの魔力を食って生きてるってこと?」
「まぁ、一番わかりやすく簡潔に説明するなら、そういうことになりやすかね?」
「銀時ィ?アンタ、誰と喋ってんの?」
ソーゴとの喋りに夢中になっていて、外の気配に全く気付かなかった。
止める間もなく母は突然扉を開けて、ひょいと覗き込んでくる。銀時はそれに、声にならない悲鳴を上げた。
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