銀時×土方2

□叶う願い
1ページ/3ページ





銀時は、一目見て恋に落ちた。まさに運命の瞬間だ。
彼の人はそれほどまでに鮮烈な人だった。モノクロの世界の中、彼だけが光り輝いている。そんな感じだと言えばいいだろうか。
彼を手に入れたくて、足掻きに足掻いてようやくこの腕の中に納め、しかしそれはすぐに失われた。まるで掌から零れ落ちる砂のように……。さらさらと止め処なくそれは零れ落ち、彼は逝った。自分だけ残して……。たった一つの約束と共に……。
それは叶えられるはずはないと思っていた。不可能だとは分かってはいても、それに縋り付いていた自分。そうでなければ、彼の想いを踏み躙りそうだった。彼は自分をこの世界に留まらせるために、そんな約束を交わしたのだ。
世界は色を失った。彼を失くしてから……。ただ息をするだけの毎日。それでも彼のその想いに応えるためにだけ、銀時は生きていた。
なのに、その約束は突如叶えられたのだ。
銀時の無色の世界に色は戻り、世界は幸せ色に包まれた。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ