nobel(立海)

□嫉妬(仁ブン)
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「ところで丸井君、私に相談したい事、とは?」

とあるファミレスのとあるテーブル
相談があるといって呼び出された柳生と、呼び出した張本人のブン太
暫くの沈黙の後、先に口を開いたのは柳生だった

「まぁ、だいたいは想像がつきますが。仁王君の事ですか?」
「Σ何で分かるんだよぃ!まさか柳生って…超能力者?」
「いえ、丸井君が私に相談することなんて仁王君の事しか無いでしょう?」

そう。ブン太が柳生に相談することの殆どは仁王のことである
本人は気づいていないようだが、中1のときから仁王の事を相談するときには決まって柳生をこのファミレスに呼び出すのだ

「…そして、今回はどういったご用件で?」
「…仁王が最近、よく赤也と話してるから…」
「嫉妬ですか?」
「…っ、はっきり言うなよぃ!」

ブン太の話の内容は、仁王が最近、赤也とよく話していて、それをみているとモヤモヤする、といったものだった。

「…それに、仁王、ちゃんと『好き』とか言ってくれねーから不安になる…」
「……」
「『好き』って言ってねーと…、言ってても、どっか行っちゃいそうで嫌だ…」
小さな声で、言葉を選びながらゆっくりと話すブン太
すると、真剣に話を聞いていた柳生がいきなり少し大きめの声で言う

「だそうですよ、仁王君」

と同時に、何処かで誰かが椅子から落ちるような音が聞こえた
驚いてそっちを見ると、見慣れた銀髪ロン毛のペテン師が居た

「何で…仁王がここに…?」
「何でも無いナリ…」
「何でも無くはないでしょう?此方に来て話して頂きます」

結局、仁王はよくブン太が柳生だけをファミレスに誘うから不安で来てしまったという
あと、赤也のことは、ブン太が赤也と楽しそうに話したり頭を撫でたりするのが嫌で、でもブン太に嫉妬してると思われたく無いから赤也と話していたらしい

「すまんの、ブンちゃん…」
「許さねーよぃ、…俺と柳生の分、仁王の奢りだからな」
「……ピヨッ(汗)」

ブン太と仁王は、楽しそうに笑っていた


→おまけ
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