nobel(氷帝)
□あだ名(忍跡)
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「景ちゃん♪」
その呼び方に、跡部は自分の事だと暫く気がつかなかった。
「けーいーちゃんっ♪」
後ろから肩を叩かれ、やっと自分の事だと気がつく。
「忍足…、何だその呼び方は…;;」
「何て、あだ名に決まっとるやん、景ちゃんの」
「やめろ。気持ち悪い」
「え〜?ええやん、景ちゃん!」
しつこい忍足。どうしても景ちゃんと呼びたいらしい。
「……」
「ほな、景ちゃん決定やで!」
呆れの無言を許可したと勝手に解釈したらしい。
凄いポジティブ思考である。
「仕方無ぇ…。ただ、他の奴等の前では絶対に名字で呼べ」
結局、折れる跡部。
「あぁ、もともと他の奴等の前で景ちゃん呼ぶつもりないねんで!」
「…?何でだ?」
「景ちゃんのこと景ちゃん呼んでええんは俺だけやから、他の奴に真似された無いやんけ」
そんな事を笑顔でさらっと言ってのける忍足。
跡部の頬が少し赤らむ。
「…あだ名も、忍足に呼ばれるんだったら良いかもな…」
小さく呟かれた言葉は忍足に聞こえたのか聞こえてないのか…
ただ、忍足が微かに微笑んだのは見間違いではないだろう。