バトテニ
□バトテニ0 〜プロローグ〜
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駅に鳴り響いた携帯のバイブ音。
そう、あれが悪夢への幕開けだったんだ…
携帯を開いてまずは時間を確認する。
8時30分…
待ち合わせを30分も過ぎている。
受信したメールは不二先輩から。
ほんの少しだけ違和感を覚えた。
だって、こういう時にメールしてくるのって、大石副部長か桃先輩だから。
取り敢えずメールを開いて見てみる。
『にげて』
それだけの文章。
タイトルも無ければ、変換もされていない。
おかしい、明らかにおかしい。
不二先輩の悪ふざけ…なんて、いくらあの人でもこんな時には悪戯しないだろうし…
それにあの人、結構絵文字とか顔文字とかつける方だし。
ノンタイトルでましてや変換もされてないなんて有り得ない。
「不二…先輩…?」
不安になって呟いてみたけど、当たり前の事ながら返事は返ってこなかった。
言い知れない不安に駈られて、待ち合わせ場所に走って向かう。
どうしたのか…何が起こっているのか全く分からない。
『にげて』
その一言だけがただひたすらに頭の中で響き続けていた…