バトテニ
□バトテニ6 〜守られた思い〜
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誰にも会わずにここまで来れたのは、正直奇跡に近いのかもしれない。
…まぁ、誰にも会わないというのも困りものなのだが。
取り敢えず、信用できる誰かと合流したい。
そんなことを思いながら越前を探していた僕にとって、彼等を見つけたのは神様からのプレゼントのようにさえ思えた。
「大石、英二!」
「あー、不二!!」
「良かった、生きてたのか」
縁起悪いこと(こんな状況じゃ縁起が良いも悪いも無いけれど)言わないでよ、と言えばしまったという風に謝る大石。
少し前に戻ったかと錯覚する程、いつも通りの光景だ。
「それで、不二は誰かあてとかあったの?」
「うん…一応、越前を探していたんだ。そう言う英二達は?」
「俺達はただブラブラ歩いてただけ。んじゃさ、俺等もおチビ探し手伝うよ!な、良いだろ、大石?」
「あぁ。特にやる事も無いしな。それに、一人よりも三人、だろ?」
そう言って笑う、二人。
「あぁ…有り難う。宜しく頼むよ」
そう言って、僕も微笑み返す。
笑ったのが随分と久しぶりな気がする。
この二人に会えて良かったと、心から思った。