*〜ASTERISK〜
□Stab needle
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もう、性別の事は気にしない事にした。
これから生きれるかさえ分からないのにそんな事でいちいち悩んでいる暇はない。
全てはこの一家の主であろう「親父」さんの判断なのだ。
ここから逃げるという手もあるがその方が危険だろう。
ここは大人しく従う方が賢明だ。
(でも、いざ殺されるってなったとき、どうしよう?)
鏡があったら大丈夫、と思っていたが、そうはいかないらしい。
「ねぇ、トランプでもする?」
向かえに座っているイルミは悩んでいるサラを他所に呑気な様子だ。
「えっ?」
断ろうと思い、口を開いたが考えようによってはこれはチャンスだ。
いくら「親父」さんの判断であれ、子供の意見も少しは聞くだろう。気に入られるに越したことはない。
「いいですね!」
震える体を抑えて、明るい声で答える。
そして、あたしは独房で暗殺者と「ババ抜き」を始めたのだった。