*〜ASTERISK〜

□World Of Mirror
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ドサッ



地面に着いたようだ。

周りは真っ暗で何も見えない。



何処からか声が聞こえてきた。
「あっ、言い忘れてたけど、前の世界の名前は捨てさせてもらうわ。貴方は今から“サラ”よ」



それだけが耳に入るとまた気を失ってしまった。




*********




「あれっ、ミケこんな所でどうしたんだ?人じゃないか。ミケが食べないなんて珍しいな」

ゼブロはそう言いながら、少女を抱き上げ、小屋に運んだ。



*********



「んんっ、ここは?」

「あっ、やっと目を覚ましましたね。森の中で倒れていて、危ないから運んできたんですよ」

「ありがとうございます。失礼ながらここは?」


「ゾルディック家の門番の小屋ですよ」

「ゾルディック?」

サラは不思議そうに首を傾げる。

「おや、ゾルディック家を知らないなんて珍しいですね。暗殺一家とでも言いましょうか。ちなみにあたしはゾルディック家に仕えているゼブロと申します。貴方を見つけてくれたのはミケ」

と指された窓の外を見るととてつもなく大きい、犬ともなんとも言えないような生物がいた。


「ミケはこの屋敷の番犬です。侵入者がいれば、襲うようにしつけられているのですが、貴方を襲わなかったということは貴方になにか特別なものを感じたのでしょう。ちなみに貴方のお名前は?」


「あっ、あたしはサラです」


「サラさんは何処からいらっしゃったのですか?」


「何処と言われても、何て答えればいいかわからないし、ここがどこなのかさえ…」

「ここはパドキア共和国です。身元がわからないならここをすぐに出ていってもらわなければいけません」


「……信じてもらえないかもしれませんが、あたし他の世界から来たんです」

「ほぉ、詳しく聞かせて頂けますか?」



「なるほど」

「信じてもらえませんよね……」

「いいえ、信じますよ。今のサラさんの話っぷりからは嘘とは思えませんでしたから。わかりました、何日かここでこの世界の事を学べばいいでしょう」

「ありがとうございます!」

小屋の外に出る。標高が高いからか少し寒い。ここが山であることもゼブロさんから聞いて初めてわかった。

ぼーっとしていたらミケがよってきた。

「ミケ、人を襲うって本当?体は大きいけど、こんなかわいい顔してるのに……」

ゆっくりと頭をなぜる。

そしたら、何処からか指笛が聞こえてきた。

ミケが一目散に走っていった。


*********

ここに来てから、変わった事がある。

まず一番わかりやすいのが髪色。前まで黒だったが、少し明るい赤茶色になっていた。

目の色も、もともと薄かったが、髪より少し赤みが強い色になっていた。

身長も少し伸びたようだ。

あとは身体が数段軽くなった気がする。

軽くスキップしただけでも、かなりの飛距離がでた。


極めつけは、木を蹴ると呆気なく折れてしまった。

少し痛みは感じたが、特に怪我はしていない。


(なんか別人になったみたい……)

*********

カルトが顔をしかめる。
(ミケから他の人間の匂いがする……)


キキョウのもとへ走っていく。

「お母様!」

「カルトちゃん、慌てどうしたの?」

「ミケから他の人間の匂いがします。もしかしたら侵入者かもしれません」

「でも、もうミケに殺されているでしょう」

カルトは首を横に振った。

「ミケからは血の匂いがしないので、わかりません」

キキョウの機械の眼が赤く光る。
「まぁ、大変!!お父様は今お出かけになっているから……、そうだわイルミがいるはず!」と言って走って行ってしまった。


「置いていかれた……。仕方ないミケと遊んどこっか。ミケ!ボール投げるから取っておいで!」

派手にボーリング球を投げる。ミケは必死に追いかけて行った。

バキッ!!

ボーリング球が木を折っていた。

(ああ、投げるの失敗しちゃったや。………でも、なんで……)
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