Astral Dircord
□凛句
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「まだ食べれるようにはなったな」
「うん。前に比べては断然美味しくなったと思うよ。で、このプリン食べてもいい?」
そんな仔犬みたいな目で見つめるな!
「これなら、及第点だな。いいだろう、食べろ」
「よっしゃあー‼」
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クロロの家に軟禁され始めてから1週間が経とうとしていた。
私の体調もすっかりもとに戻っていた。
なにより、憎き奴を前にしても緋の眼にならなくなっていた。
慣れほど怖いものはないなと悟ったよ。
何回かクロロはアジトに行くからと言って、私を1人にした。
そのたび「お願いだから、逃げないでくれ」という風に哀願された。
そんなことするぐらいなら、縛るにしろ、監禁でもすればいいだろうと思うが、これも奴なりの優しさなんだろう。
しかし、仲間を殺した私に何故そこまで優しくできる。
1度だけ聞いた。
答えは「あいつらは俺の手足だから」
それだけだった。
私には分からなかった。
切り捨てられるということか。
それに近いことはヨークシンでも聞いた。
「頭がなくなっても、蜘蛛は動く」
それなら、まだいい。
はなからなんとも・・・
そのあと、奴はこう言った。
「けど、クラピカは俺が守る。盗賊はコレクションぐらいまもれなきゃねー」
またコレクションか。
私は自分でも聞こえないぐらい小さな声で呟いた。