バトルロワイヤル×テニス

□翔べ、あの蒼空へ(忍岳)
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「岳人…?」





振り返ると…

そこに俺がずっと探し求めていた人物がいた




「侑士…」


忍足はいつもと変わらない優しい表情を浮かべ、俺の元へ駆け寄ってきた

返り血をたくさん浴びたのか忍足の着ているジャージは、茶色くなった血がこびりついている…



「侑士…、お前その血?」


「あー…これか、ちょっとな」

「殺したのか?」


「…日吉に殺されかけてな、とっさに銃で撃ってもーたんや…」





日吉が…!!!





「…そっか」

「……」


「でも侑士が生きてて良かった」

岳人はボソリと呟くと、悲しげな表情を浮かべてる忍足を見上げた


そんな顔すんなよ…

お前はちっとも悪くなんかねーんだからさ、
悪いのはこんなプログラムを作った政府の奴等だ


みんな、みんな…

死んでいく…



放送で発表される

仲間の死



俺をみつけたら

すぐに殺そうとしてくる仲間だった奴等…



目の前で死んでいく…

仲間




「…もう嫌だ」

何度も心が折れそうになった…

けど…、
侑士がいたから

侑士の死が発表されてなかったから…
俺は侑士に会うために、ここまで生きてこれた

「岳人、何泣いてんねん?ガックンらしくないでぇっー?」
「俺…侑士がいながったら…ぁ」
「ほらほら泣くんやない」
忍足は岳人の小さな体を抱き締めると辺りを見渡した

「… 侑士?」

「シっ!! …ちょ黙っとってな」




ガサっ …ガサ



森の方から

人の気配を感じる




待てや…

今の時点での生き残りは
俺と岳人を入れての5人や

てことは、

まだ3人が殺しあいを
しとるちゅー事やな



「……」

「…侑士?」






バンッ…

いきなり響き渡った銃声に、岳人は目を丸くする


「…岳人、はよ逃げや」

「えっ!?何言って」


「「 逃げやッッ !!!! 」」

そう忍足は叫ぶと岳人に背を向けた!!
その背はさっきの銃声のモノか、紅く染まり上がっていた…


「…!!!」



「…誰やッ 」

忍足が形相を変え、そう叫ぶと森の中から、見覚えのあるヤツが銃を片手に姿を表した…


「… あ あ …跡部」

「あーん? …残りはお前等だけか…」
跡部はニタリと笑みを浮かべ、忍足に銃を向ける


「お前ならゲームに参加しとるっておもーてたわ」

「生き残る為には当たり前だろ」
「…自分が生き残る為には手段は選ばずか?」


「そのとおり…」




「………」

「死んでもらうぜ…」


跡部が、
引き金を引いた瞬間


俺は侑士を庇おうと地を蹴った、が遅かった…
跡部の放った銃弾は
忍足の胸に貫通していた



だが…、

最初に膝をついたのは




跡部だった!!




「…忍足… てめぇ、撃ちやがったな…」


「…残念やったな、跡部」

跡部はもう一度銃を握り直し、今度は岳人に銃口を向けた


「…!!!?」

「が 岳人っ !!!」





…バンッッ







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