お待たせいたしました! ついについにこの時が!

2006年 美文拡大実行委員会
批評小説大賞


 さてさて、発表の前にもう一度賞の方を確認しましょう。

≪賞の一覧≫
・主演賞
小説の中でも特に優秀な主人公に授与します

・助演賞
小説の中の優秀な人物(主人公以外)に授与します

・脚本賞
最もすばらしいストーリーに授与します

・驚愕賞
最も驚いた作品に授与します

・演出賞
最もすばらしい演出の作品に授与します

・特別賞
その時に考えます(笑)

・2006年大賞
最も良かった作品に授与します

エントリー作品
2006年12月末までに批評した全作品




 さて、ではいよいよ受賞作品の発表です!


・主演賞

輪廻ノ螺旋より『鬼薊』
 心の葛藤や細かな仕草、さらに周りの人間たちとのやりとりに良い味が出ています。非常に強い意志を持っているだけに、ギャップがうまく効いていますね。誰も寄せ付けない程の強さの中に、隠し切れない弱さがある。それがこの主人公の最も魅力的な点だと思います。よくいるタイプの人物かもしれませんが、しっかりとオリジナリティのあるキャラクターに仕上がっていますね!



・助演賞

中間種より『吾妻椎名』
 この作品の時代から考えると、非常に特殊な設定ですね。ですが逆にそれがこの作品の中でうまくスパイスの役割を果たしていると思います。一途な想い、そして感情を出しているようで奥には秘めているものがある。私が好きなタイプです(笑)
 特に最後のシーンは「そうきたか!」と思わずうなり、そしておおいに悲しみました。それだけ愛着を湧かせることができる、親近感のある人物でした。
 

雲の中からより『一ノ瀬』
 謎めいた雰囲気と、計算高い性格に似合わない大胆さが非常に魅力的。英語も流暢ですし、たいていの女性はこういった性格に弱いのでは?
 もちろん、この一ノ瀬の魅力はそれだけではありません。随所に見せる「らしくない行動、言動」、ギャップが非常にわかりやすい。外見やイメージの通りならばそれだけになってしまいますが、やはり意外な一面をわかりやすく見せることで人物に魅力が出てきますね。



・脚本賞

Calling
 昨年批評した作品の中で、群を抜いてストーリーが光っていました。特に最後の場面は必見! ドラマなどでよく見るようなシーンですが、ここまで持っていくまでの過程が難しく、ここまで書ききったことには本当に脱帽します。
 あまり語ってしまうとこのストーリーの良さが伝わらないので、ぜひみなさんに一読してほしい作品です。できればゆっくりと時間がある時に、最後まで一気に読んで欲しいですね。



・驚愕賞

クレーター
 ミステリーというジャンルを考えれば当然かもしれませんが、それでも最後は驚かされました。ある程度の展開は読めていたのに、最後だけは私も予想できなかった内容だけに面白さを同時に感じました。
 こういった予想だにできない展開は新鮮味を感じますし、小説の醍醐味のひとつと言えるのではないかな、と思います。



・演出賞

俎上の肉
 非常に短い作品でありますが、最後のオチまでの演出が効いていた分、素直に面白いと感じることができました。この短い作品の中で細かい台詞や仕草にとても気を遣っていることがよくわかります。
 非常にわかりやすく短い作品ですので、少し時間が余ったときにぜひ読んでみてください。



・特別賞

遥かなる旅路
 実はこの作品、短編連作の形にも関わらず全体としては一貫性を持たせています。こういった構成は全体をまとめることが非常に難しいのですが、作品に引き込まれるような魅力を感じました。ただ私の好みだったのかもしれませんが^^;
 まだストーリーに謎が多い作品であるだけに、これからの展開によっては化けてくると思います(いい意味で)。ぜひ今後もがんばっていただきたいですし、また今年も注目したい一作です。



・2006年大賞

そんな時、喫茶店
 昨年に批評した作品の中では最も総合点が高かったこの作品。非常に読みやすい作風であり、初めて読む人もあまり抵抗なく読めるものに仕上がっています。
 批評の中でも書きましたが、この作品の最もすばらしい点は世界観の完成度にあります。余計な描写はせず、うまく喫茶店という空間を想像させる文章力は非常に秀逸です。
 人を泣かせる小説は数多くありますが、ほっと一息つけるような小説はなかなかありません。たまには足を止めて、ゆったりと世界観に浸ってみてはいかがでしょうか?


≪管理人から 〜発表を終えて〜≫
 さて、いかがでしたでしょうか。今回の企画はエントリー作品31作の中から、管理人・ハギが超独断とひどい偏見と半ば趣味で受賞作品を決定しました。
 ……すいません、もちろんまじめにやりました。ひとつの作品を批評する時と同じように、或いはそれ以上に悩みました。自分で考えておきながら、なかなか厳しいものでしたよ、本当に;;
 今回、受賞された作品に特にメリットはありません。あくまで私の自己満足です。と言いましても真面目に選んだ作品ばかりですので、どの作品も面白い作品ばかりです(私個人の意見ですが)。ぜひ時間がある時に読んでみてください。
 そして今回の特別賞ですが、『遥かなる旅路』が受賞されました。受賞理由はただひとつ、

『私が好きな作風だったから』

 さぁ、文句はありますか?(笑) 
 もちろん企画の名前に2006年とついているので、ぶっちゃけ2007年もやるつもりです。あくまで予定ですが。ええ、予定は未定です(笑)今回は評価の高い作品が主に受賞したので(仕方のないことではありますが)、次は満遍なく受賞ができればいいかな、と思います。
 さあ、今から来年の受賞を目指してがんばりましょう!

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