捧げ物1

□暇潰しに遊びましょう
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暗闇。
目は開いているはずなのに、何度瞬きしても光が一切差し込まない暗闇が目に映る。
四肢は頑丈なベルトで拘束されているようでびくともしない。
今自分は衣類を一切身に付けていないのか、体全体が外気に曝されているみたいで少し肌寒い。
気が付けばこの状態、ここがどこかさえ視界を遮られている黒鋼にはわからなかった。
しかし誰がこんな事をしたのかは嫌でも予想がつく。

「いるんだろ、どうゆうつもりだ」

気配だけで傍に自分をこんな目に合わせた張本人がいると感じ、重低音な声色で尋ねる。
暫く応答がくるのを待ったが、いくら待っても全くの無反応に早くも痺れを切らしてもう一度口を開いた。
その時にガタッと立ち上がる音、そしてほんの数回の足音とすぐ隣に腰掛ける気配。
顎を掴まれ強引に横を向かされると柔らかい何かに唇を塞がれる。

「ん…」

抵抗したくても出来ない現状、やれることと言えば歯を食い縛って意地でも侵入を拒む事のみ。
犬猫のように唇を舐められる感触に背筋に電気が走って躯を強張らせる。
口を開こうと舌をねじ込ませてくるが黒鋼は頑なにそれを拒否し、力任せに首を捻らしてキスを強制的に終了させた。

「素直じゃないねぇ」

聞き慣れた声がすぐ近くで響き、耳元に生暖かい風を吹き掛けられる。
それにゾクッと震え、直ぐ様離れようとしたが後頭部を鷲掴みされて力付くで柔らかい布団か何かに押し付けられた。
暴れようとするが両手両足ともに束ねられていてあまり意味を成さない。
いくら力に自信のある黒鋼でも、拘束され全体重をかけて押さえ付けられれば身動きが取れなかった。

「大人しくしてないと痛くするよ?」

無駄とわかっていても藻掻くのを止めない黒鋼に向かって呆れたように脅しをかけ。
それが有無を言わさぬほど冷たく感じられ、ビクッと震えると途端に抵抗するのを止めた。
愉しそうにクスリと笑う声が耳まで届き、色濃く植え付けられている恐怖により躯が勝手に反応する。

「!!いっ…!」

突然後孔に生じる異物感。
細い棒のような物がいきなり体内に入り込み、内壁を引っ掻き回していく。
その度に痛さよりも快楽を与えられて躯は反応を示す。
押さえ付ける力は一向に衰えないまま、黒鋼は聴覚と感覚だけで自分が今何をされているのかを理解した。
女と同じように抱かれる為の下準備。

「ぅ…く、」

彼に犯されるのは今に始まった事ではない。
しかしこの状況はどう考えても良い様には取れなかった。
視覚があてにならない分恐怖もある。
何かをこの躯で受けるまで、何をされるかわからないのだから。

「んぅ…ぁッ、ッ!」

一本で丹念に慣らされていたのに一気に三本に増やされ、思わず息を呑む。
先程まで無駄に優しかったのが嘘のように激しく、貪るように荒らされていった。
大きく響いてくる粘膜質な水音が黒鋼を羞恥心に掻き立てる。

「や、め…!ぐっ!ぅん…!」

秘部を解しているのかと思えば敏感な場所を突いてきたり、突然動作を止めて入り口を思いっきり開かせたりとまるで予想のつかない動きをされる。
その度に自然と声が漏れ、黒鋼でも気付かない間に物欲しそうに腰を揺らした。
無意識のうちに相手を求めている卑猥な彼に、黒鋼を敷いている人物は口端を吊り上げ唐突に指を引き抜く。
そしてだいぶ解れた秘部にまた別の、先程とは比にならない太さの物をあてがった。
浅く押し込めば小さく悲鳴をあげ、感覚で今挿入ってこようとしているものが何なのか判ってしまった黒鋼は躯を強ばらせる。





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