捧げ物1

□乱
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躯が熱い。
別に熱があるわけではないし、酔っているわけでもない。
何か薬を盛られた記憶だってないのに熱いと感じる。
黒鋼は荒い短呼吸を繰り返し、思考を巡らすがやはり思い当たる節なんてこれっぽちもなくて。



「どうしたの?」

珍しく自分からファイの部屋に赴き、尋ねてくる相手に無言で抱き付いた。
驚いている彼をそのままベッドに押し倒して自ら唇を重ねる。
黒鋼からこんな行動を取った事は今まで一度もなかった為に、ファイは完全に出遅れた。

「発情してんの?」

不思議そうに、今度は的確な処を突いてくる。
黒鋼は小さく頷き、ファイが着ていた服の前をはだけさせた。
ベルトも外し、ジッパーを下ろして取り出した彼自身に自分のを布越しから擦り付ける。
まさか彼がこんな事するなんて思ってもみなく、ファイは目を丸くさせていたが次第に面白そうにその瞳を輝かせていった。

「まるで犬みたいだね。発情してる雌犬」

「なんでもいい、お願い…」

ダランとベッドに押し倒されているファイに物欲しそうな目を向け、荒い息遣いで彼の胸板に唇を這わせる。
それに小さく笑いながら黒鋼の肩を押し、起き上がらせると自分も上半身を起こした。
同じように彼の前をはだけさせ、ズボンから黒鋼自身を取り出して同じ恰好にさせる。
それを片手で掴んで慣れた手つきで弄んでいけば早速艶のある啼き声が聞こえてきた。

「ぁ…あッ、もっと触って…」

「いいよー」

舌先で胸の突起を転がしたりと遊びながら望み通りしつこくソコに触れる。
先端を引っ掻き、爪を立てて乱暴に扱っていけば逆にそれが気持ち良いのかみるみるうちに質量を増していった。
絶頂を迎えさせないようわざと締め付けたりして、それでも動かす手は休めない。

「次はどうしてほしい?」

少し辛そうな表情をし始めた黒鋼に次の指示を促す。
自身を強く握ってやれば小さく呻く彼にくすっと笑い、楽しそうに反応が返ってくるのを待った。

「下の穴…いつもしてるみたいにぐちゃぐちゃにして」

「淫乱だねー黒様」

大胆な発言に思わず黒い影を纏った笑みを浮かばせ、下着ごとズボンをずらして膝で立っている足を広げさせた。
ファイが焦らすように入り口付近に指を這わすとおもむろにピクリと震える。
既に濡れている蕾から強引にナカへと侵入し、早速荒々しく秘部を犯していった。

「んぁッ!は…あぁッ!」

途端黒鋼のあげる声色が変わる。
いつも以上に敏感に反応して、内壁で挿入されている細い指を締め付ける。
それを無理矢理こじ開けるようにファイはナカを掻き混ぜ、押し込む本数を増やしていった。
三本まで挿入ってバラバラに動かすとビクビク震え、支えにしていた足が痙攣を起こしだす。
その近場での光景が実に愉快だった。

「も…いいから、んッ!はぁ…イれて、!」

「何を?」

ファイの背中に腕を絡めながら必死になってねだる。
しかし意地悪そうな彼の質問に今更ながら頬を赤くし、目線を逸らした。
そんな反応が可愛いと思いながら最も敏感なナカを強く突くと甲高い嬌声が彼の口から漏れる。
未だ握り込んでいる黒鋼自身がはち切れんばかりにファイの手の中でヒクついていた。

「何をイれて欲しいのか言ってくれないとわからないよー」

「……ファイの、ファイが欲しい」

辛そうに力一杯抱き付いてくる黒鋼によくできましたと微笑み、瞼にキスを落とす。
そのまま彼をゆっくり押し倒すと挿入っていた指を抜き、片足を掴んで遠慮なくファイ自身を押し込んでいった。





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