捧げ物1

□前途多難な日常
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嗚呼、また今日も始まろうとしている…。












「「…………」」

「「………ι」」

穏やかな朝食のはずだったのに気付けばそこは戦場と化していた。
黒鋼の両隣に座り、彼を挟んで睨み合いをしている二人の周りには何とも刺々しい空気。
真正面からその光景を眺める形となっている小狼はパンを手に持ったまま非常に悩んでいた。
止めに入るか、傍観を決め込むかの二択で。

「サクラちゃーん、悪いんだけど俺黒りんにご飯食べさせてあげないといけないんだ。邪魔しないでくれるー?」

「ファイさんこそ、私が黒鋼さんに食べさせてあげるんで邪魔しないでくれませんか?」

本日の朝食はフォークとスプーンを使う。
箸が基本だった黒鋼はそれらを上手く使えない為、二人が食べさせようとしたところ見事に被ってこの有様だ。
わざと箸を使わない料理を選んだファイの魂胆が見え見えのこの作戦。
結局邪魔されてかなりご立腹である。

「これは俺が作ったものなんだよ?俺が責任を持って食べさせないとね〜(ゴゴゴ‥」

「わざわざそんなことしなくても私がちゃんと黒鋼さんのお世話をします。心配しないで下さい(ゴゴゴゴ‥」

(オーラが…ι)

地響きが聞こえるほどの黒気を放つファイとさくら。
表情がにこやかなのに酷く恐ろしい。
そんな二人に挟まれた黒鋼をチラッと見てみると、一番そのただならぬオーラに充てられているはずなのにあまり応えていない。
それどころか自分の食事を邪魔されていることに青筋を立てている始末である。
ある意味大物。

「お前ら朝から鬱陶しいぞ。飯ぐらい自分で食える」

「ごめんだけど今もうそんな領域通り越しちゃってるから」

(え?いつのまに?ι)

ファイの言葉に疑問を抱く小狼だが決して口には出さない。
また睨めっこを始める二人に呆れ、黒鋼は席を立ってバスケットに入れられたパンだけを手に持ち、平然と部屋を出ていってしまう。
小狼もそれを見送った後、彼が立ち去った事にも気付かず無意味に張り合ってる仲間を目に移して静かに席を立った。
結局傍観側にまわったようである。

「黒様は絶対渡さないよ…」

「望むところです…」

















―――――‥


現在昼の1時前。
少し用があって外出していた小狼は黒鋼に稽古をつけてもらう為彼の部屋に向かっていた。
緋炎を大事そうに握り直した時、いきなり部屋の一つから盛大な音と悲鳴が聞こえてきてびっくりする。
それらは現在自分が目指していた場所から聞こえ、何事かと急いでその場を駆け出した。

「黒鋼さんッ!!どうかしましたか!!」

バンッと音を立てて扉を開いた瞬間、中の景色を見て唖然。




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