ツバサ

□恋愛相談会
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止められない
コノ想ヒ…


伝えたい
アノ人ニ…





「はあ〜〜っ」

「どうしたんですか?ファイさん」

机に突っ伏しながら本日何度目かもわからない溜息を吐く。
それを見てサクラちゃんが優しく声をかけてくれたのはいんだけど、俺は彼女に弱々しく微笑むのがやっと。
額を木でできたテーブルにひっつけてまた溜息をこぼした。

「実はねぇ、今すっごく悩んでることがあるの…」

やっとしゃべる気になって顔を上げながら口を開いた。

「私にできることなら何でもしますよ」

「ほんと?そんじゃあ話を聞いて〜」

「はい!」

ふんわりとした優しい笑顔を見せてくれて俺もまた笑い返す。
サクラちゃんが俺の目の前に座るのを待ってから真剣な表情をして話し始めた。

「いきなりで悪いんだけど、サクラちゃんなら気になってる人にどうやって自分の気持ちを伝える?」

「え?気になるって…ファイさん好きな人ができたんですか?」

「あはは、ストレートだねぇι」

厳密に言うとそう、俺はどうやら恋というものをしてしまっているようだ。
しかも相手はとんでもない御方。
その事はさすがに他人には言えないけど。

「そうですね…私なら素直に自分の気持ちを伝えたいと思います」

「俺もそうしたいんだけどなかなか、ね…」

遠くを見つめながらまた溜息をこぼす。
ちゃんと伝えたいんだ、俺だって。
でも絶対拒否される。今までの関係を見てたら必然的に答えはそう出るし、何せ相手は同性だもん。
素直に受け止めてくれる方が奇跡だろうな。

「別に両想いになりたいとは思ってないんだぁ。唯俺の気持ちを伝えたいだけで」

「でも言葉では無理なんですか?」

「多分、何せ俺って信用ないから…」

ははっ、と力なく笑ってみせる。
サクラちゃんはそんな俺を見て少し悲しそうな表情をした。
本当に優しいなあサクラちゃんは。





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