2

□躾の一つも愛のうち
1ページ/3ページ

何時もへらへらしてるどっかの化学教師に、今日もセクハラまがいのスキンシップをされ。
それをある生徒に見られてしまった為に、とんでもない事になった……。










放課後、それなりに忙しいにも関わらず体育教師は狭い体育用具室にいた。
理由は簡単、ある人物に呼び出されたから。
その相手はまだ来てはおらず、人気のないこの場所で話す事は何だろうと考えながら、黒鋼は出てくる欠伸を噛み締めている。
早く戻って仕事を片付けたい。
そう思うものの大人しく待ち続けるのは、根が真面目な性格の為か、はたまた待ち人に関係しているからだろうか…。

―――バタンッ

「?」

開けっ放しにしていた用具室の扉が不意に閉ざされ、そちらを振り向いた。
其処には自分を呼び出したこの学校の生徒、小狼が目元に影を落として立っている。
やっと来たか、と呟く前に「ガチャッ」と鍵の閉錠する音が響き、驚きで目を見開いた。

「何してやがる」

訝しげに睨み付けても相手が怯んだ様子はなく、ゆっくりと近付いてくる。
そして目の前に来ると、自分より幾分背の高い黒鋼を見上げて静かに口を開いた。

「黒鋼先生、先生ってよくファイ先生と一緒にいますよね?」

素朴な疑問に呆気に取られる。
そんな事を確かめる為にこんな所迄呼び出されたのだろうか。

「だから何だ」
「仲が良いなと思いまして」
「向こうが馴れ合ってくるだけだ。別に仲が良い訳じゃねぇ」
「そうなんですか」

そう言えばフッと微笑み、着ているジャージの裾を引っ張ってくる。
何かあるのかと少し前かがみになれば、背伸びをして首元に腕を回してきた。
別段驚きはせず瞳を細め、暫く小狼から伝わる温かさを直に感じる。


「黒鋼さんは、大して仲の良くない人と抱き合ったりするんだ」


しかし、耳元で呟かれたその言葉に大きく反応してしまった。
否定しようとしたが耳たぶを甘噛みされ、口から漏れたのは引っ繰り返った不可思議な声。
途端恥ずかしくなって赤面し、慌てて抱き付いている小狼から離れる。
あっさり解放した少年は笑ってはいるものの、その瞳は信じられない程に冷たく光っていた。

明らかに怒っている。

「違…あれは、アイツが勝手に!」
「知ってますよ、ファイ先生が一方的に抱き付いてきてるというのは。でも、それだと貴方もそれなりに気を許しているという事になりますよね?」

詰め寄ってくるから下がろうとしたが、数歩後退しないうちに置かれていた跳び箱にぶつかり、逃げられなくなってしまう。
焦りの眼差しを少年に向け続け、しかし浮かんでくるのは言い訳じみた言葉ばかりで何も言えずじまい。
どうするかと思考を巡らせていた時、突然服の上から腰元を撫でられた。

「アッ……!」

それだけで感じてしまう躯が憎らしい。
目の前で相変わらず笑っている彼に調教され続けた黒鋼の躯は、小狼に触れられるだけで敏感に反応してしまう。

「厭らしいですよ、触っただけでそんな声上げるなんて」
「ッ、テメエがそうしたんだろ…!」
「ファイ先生の前でもそんな可愛らしい声出したりしてるんですか?」

異様に優しい手付きで撫で回していた手が、ゆっくりと下腹部へ移動してくる。

「!おい、やめ…ッ」
「質問に答えて下さいよ」

慌てる黒鋼の制止も聞かず冷たく言い放つと、触れただけで主張し始める彼自身の型を辿るように撫で回す。
そして強引にそれを取出し、あろう事か口を近付けてきた。
小さく悲鳴を上げる声は聞いて聞かぬふり。
慣れた様子で扱っていき、それを上から見つめていると自然と呼吸が荒くなってきた。

「は、はぁ…」
「ねえ、どうなんです?」
「ッ、出して、ねぇよ…出すわけねぇだろ!」

片手を跳び箱に付いて支えにし、声を絞り出す。
それに満足すると少年は彼自身に歯を立て、口内に熱を吐かせた。
全て嚥下し、あっさり達してしまった自分自身に呆然としている黒鋼を無理矢理跳び箱の上に押し倒す。
思ったより低かったせいで上半身だけを預ける形になったが。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ