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□ごめん
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全部、君が悪い――











知らないと言っても目の前の奴は納得してくれなかった。
目覚めて一番顔を合わせるといきなり床に押し倒され首を圧迫される。
絞め殺しそうな勢いに「細いナリのくせにどこからそんな力が」と悠長な事を思うが、除々に酸素が足りなくなってきて脳を余計な事に働かす余裕もなくなってくる。
首に絡まる指を解こうと藻掻くも今の状態では只の悪足掻きにしか成り下がらず。
小刻みに震えるほど締め付けてくる白い腕を掴んだまま、意識が朦朧とする中奴をひたすらに睨み続けた。

「今日、誰の夢見てたの?」

「だから、知らね…ぇ。忘れ、ちまった」

先程と同じ質問になんとか声を絞りだして同じ返答をする。
そしたらまだ納得できないのか、俺の首を絞めたまま前屈みになって顔を近付けてきた。
拒否することも出来ず口を塞がれ本気で死んじまうかもと考える。
今まで幾度となく死の瀬戸際に立たされた事はあったが、こうゆうケースは今回が初めてで。
確実に目の前にある奴の顔が薄れていくのを見、「こんな死に方はしたくねぇな」とまるで他人事のように思ってしまった。
だいぶあの世に近付いてきた時に重なっていた唇は離れ、首を絞めていた手も離され現実に引き戻される。

「ゲホゲホッ!!」

堪え切れず首を押さえながら咳き込み、一度に大量の酸素を吸い込んだ。
まだ違和感がある喉元を庇っていると何の前触れもなく下半身の衣類を全て取り払われる。
驚いて抵抗しようとしたが、今の俺では力不足であっさり四肢を床に押し付けられてしまった。
冷ややかな笑顔を浮かべている奴に背筋がゾッとする。


―――ズッ…


「ぃ、――――ッ!!!」

突然後孔から走った鋭い痛み。
あまりにもの鋭痛に目を見開き、一瞬息をするのも止めてしまう。
全く慣らされていない箇所に太い異物を挿しこまれ目の前が僅かに霞んだ。
確実に切れたな。

「ぅ…ぐ!」

痛みに堪えながら容赦なく打ち付けを開始してくるこいつに組み敷かれた状態で行為に及ぶ。
しかし決して気持ちよくなんてない。
まるで貪るような、無理矢理繋ぎ止めようとしているかのような荒々しい扱いに意識が飛びそうになった。
両足を折り曲げ、完全に秘部を見せ付ける形にされると一層強い律動が始まる。
息苦しいったらありゃしねぇ。

「……、ッ!」

「いつもみたいにさ、声出してよ」

まるでガキが駄々をこねるような口調とは裏腹、やってることはあまりにも不健全でえげつない。
歯を食い縛っていないと痛みに連れ去られそうになるのを知ってか知らずか無理な要求を突き付け、俺は否定するように蒼く冷たい瞳を睨み付けた。
そうすれば今度は無理矢理にでも声を漏らせようと画策してくるから本当にたまったもんじゃねぇ。
知り尽くされたナカの敏感な部分を強く突かれ続けながら堪える為に表情を歪ませる。
まさかこいつに強姦される羽目になろうなんて考えもしなかったと片隅に思いながら。





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