2

□歪み嘲りそれも愛
1ページ/2ページ




「黒鋼さん!」

また来た、天使の皮を被った悪魔が。

「誰が悪魔ですか、酷いですよ黒鋼さん」

何故か心を読まれるし。
嘘泣きだとわかっていながら少女の涙に狼狽える黒鋼。

「………お仕置きですね」

突然目付きが変わったと思ったら次の瞬間ベッドへ押し倒され。
その時になって「ああ、またやっちまった」と冷静に後悔する彼だった。














―――‥


「ぁ!ぃ、ああッ!ひゃッ…!」

らしくない嬌声を堪える事無くあげ、ナカで激しい振動を続ける玩具を締め付ける。
現在桜が先程言っていた「お仕置き」の真っ最中。
シーツを皺が寄るほどに握り締め、黒鋼は強すぎる快楽に好がっていた。

「相変わらずヤラしい躯。玩具丸々咥え込んじゃって」

クスクス笑いながら抜き挿しし、グゥッと敏感な場所に強く押しつける。
そうすれば辛そうに一層高い啼き声をあげ、単呼吸を繰り返しながら紅い瞳から涙を零す。
艶のある、乱れた彼の姿は桜の支配欲を掻き立てた。

「気持ちいいですか?」

「イイ…!んぁッ、あう!!」

バイブを動かすのに合わせて腰を揺らし始めた黒鋼を屈託のない笑顔で見下ろし、唐突に最奥を思い切り貫く。
悲鳴をあげて自分の腹の上に白濁をぶちまけたのを見届けると、スイッチを切って彼の顔の横に手をつき覆い被さった。
焦点の合わない瞳が桜を見上げ、無意識に誘っている。
自覚がないなんてとんでもない人だこと。

「ちょっと動かないで下さいね」

にっこりと愛らしい笑顔を向け、脱力しきっている黒鋼に軽く口付けると優しく首筋を撫で上げる。
そして懐から何かを取り出したと思うと、それを素早く彼の首に取り付けた。
同じようなものを左の足首にも付ける。

「可愛いですよv」

そう言いながらオプションとして付いている鈴を指で鳴らし、楽しそうに目を細めた。
首と左足には赤い首輪。
紅のイメージがある黒鋼さんにとっても似合うと微笑む。
さて、どうやって苛めてあげようか…。

「ひめ…」

不思議そうに見上げる姿は無条件で煽っているだけに見え。
微笑んだまま優しく頬に触れ、ゆっくりと滑らせていくとくすぐったいのか嬉しいのか目をスッと細めた。
そのまま頬から首、胸元と上から下へ撫でていき、先程達した黒鋼自身を緩く手中に収める。
触れただけで何とも言えない甘ったるい声を出し、僅かな快楽にも反応を示した。
その途端桜が良からぬ事を閃いてしまう。

「まだ足りなさそうですね。次はもっと気持ち良くしてあげます」

ニコッという効果音が良く似合う笑顔を黒鋼に向けてベッドの上から降りていく。
目的がわからず首を捻って目線だけで追うと、少女は部屋の隅に置いていた物を手に取り再び戻ってきた。
桜の手にあるソレの使い道がわからず思考を巡らしているうちに、挿し込んだままになっていた玩具は引き抜かれ自分より大きい黒鋼をあっさり俯せにさせる。
その拍子に首、そして足に固定されているベルトに取り付けられている鈴が澄んだ音を部屋に響かせた。

「何を」

背後位の体勢にされるといきなり不安が押し寄せ、心配そうな面持ちで後ろの彼女を見つめる。
正常位でならまだすぐに抵抗できるし何をされるかも伺える、だがこれだと背後の状況があまりわからないから恐れも出てくる。
大体今、桜の手中には黒鋼にとってなくてはならない物が握られているのだ、それを何に使われるのか想像するだけで冷や汗が流れていく。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ