遥かなる時空の想い

□星さえ知らぬ
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「裏切り者とは…あんまりじゃありませんか?」

不意に後ろから聞こえた声に振り向く。

「柊…いつからそこにいた…?」

「今ですよ。我が君がここを出た後です」

そう言って柊はオレの肩に触れた。

「無敗の葛城将軍が風邪で寝込んだなんて、兵に示しがつきませんよ?」

「いつまでも子供扱いするなっ!」

肩に置かれた手を振り払う。

「おや?怒らせてしまったようですね。すみませ…」
「子供扱いするなと言っているだろう!」

「…忍人?」

「昔から…そんなに距離を置きたいのか?」

「忍人」

「たった5年長く生きただけだろう!?」

「忍人」

「なんで!」

「忍人!」

瞬間、抱きしめられた。

「…こんなに冷えきって、本当に風邪を引く気ですか?」

「なんで…」
(なんでいつもオレを置いていく?)

あの時もそうだった。
羽張彦と一ノ姫の時も…
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