豊葦原へ
□プロローグ
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「…見つけた」
そう呟いて、自分が笑んでいることに気付いた。
この視線の先にいる人間を見つけたことが自分はそんなに喜ばしいのか。
「相変わらず人形みたい…会ってみようかな」
そう呟いて足を進めた。
悪い癖だと思う。
面白そうなことに片っ端から首を突っ込んで行くのは…
まぁ、だからと言って止める気もないのだけど。
「初対面ってことでもないけど…」
やっぱり最初が肝心か、そう言葉を続けようとして不意に何かを感じとる。
自分と似て非なる存在。そして、ソレが仕えているであろう人間の気配を。
(白龍の…？)
無意識に笑みが深くなる。
どうやら当分は退屈せずに済みそうだ。