ゴーストライフ!

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明日は楽しい体育祭!
リレーや借り物競争や大玉転がしと出し物も充実して気になるあの子にアピールチャンスもできる、まさに大イベント!
なんだけど。


「体育祭だってーウフフスゴーイ☆」

「陽太目が死んでるよ…」

「オマエモナー」

綱吉と俺は頭を抱えて下校していた。理由はひとつ、綱吉は棒倒しの総大将に選ばれ、俺は借り物競争の選手に選ばれてしまったからだ。

「借り物競争とか…毎回人気者が出場するやつじゃん…お題で「恋人」とか普通に出るやつじゃん…」

恋人のいない俺には公開処刑モノだ。どうしよう…と呟く俺に綱吉の生気の無い声がかかる。

「恥かくくらいならいいだろ…オレなんて棒倒しの総大将だよ…命がけだよ…」

棒倒し。
体育祭においてクライマックスを飾るに相応しい大規模な出し物で、総大将が棒のてっぺんに登り相手の総大将を地面に落としたチームの勝ち、総大将は殴る蹴るなどの暴力を耐え自分の立場を守り勝利しなければならないという男なら血湧き肉踊るだろう熱ーいルール。

本来なら総大将には了平先輩が就くのに、兵士として戦いたいとワガママを通した了平先輩(どうしようもねぇな!)の推薦により綱吉になってしまったのだ。

もちろんそんな危ないことを黙って見過ごせるわけがないので反対した。だけど…


「綱吉が総大将!?危ないって!反対!はんたーい!!」

「陽太…!(もっと言ってやって!!)」

「高鳴」

「獄寺!獄寺からも皆に言ってやっ」
「反対じゃあ…」

ガシッ

「えっ」
「ねェだろ!」

ビキィッ

「あんぎゃああああっ!!?」

う…腕が!腕がぁぁぁ!

「陽太!?大丈夫か!」

「う…うぅ…獄寺に腕の関節逆ポキされた…地味に…地味に痛いよう…」

「これで10代目が総大将で反対のやつぁいねーな!」

「(物理的に黙らせたーっ!)」



ってことで獄寺が押し切りやがった。あいつほんと…容赦ねえな!

「センパイ達からは白い目で見られるし…総大将なんて絶対ムリだよー!」

「でもあんな大勢の前で言われちゃあ今更やめるなんて言えねーよな…あ、俺こっちだからバイバイ…」

ちょうど分かれ道に差し掛かったところで別れを告げると綱吉もバイバイ、と返してくれる。今にも死にそうな顔をしている綱吉になんだか涙が…お労わしや…
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