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□オレとアイツの事情
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「まーたお前らか…」


お馴染みの顔合わせに、担任教師・田辺も呆れ顔でため息を吐く。

放課後…生徒指導室という名の、説教部屋に入れられた木津と司郎は、隣り合わせになって座りながらも、一言も口を聞かずにそっぽを向いていた。


(………何でオレまで…)


悪いのは、注意しても態度を改めない木津だ。
……自分も、ほうきを持ち出したのは悪かったと、ほんの少〜し反省はしている。
だが、制服にしても、授業を真面目に受けない態度にしても、司郎からすれば許し難い事だった。


それに…


(何でこいつはオレにだけ、こんなに態度が悪いんだ!)


男女隔たりなく愛想がよい木津は、クラスの中心にいて、よく盛り上げたり雰囲気をよくしてくれていた。
それが何故か司郎にだけは、突っ掛かってくる。


司郎はそれが気に食わなかった。


(………オレが何かしたのかよ……)


それならそう言えばいいのに、木津はそれさえも言わない。
司郎も木津の前ではつい意地を張ってしまい、聞く事も出来ず、そんなモヤモヤとした状態がずっと続いていた。






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