▼*イタチのどり-む/短編

□*夏の苦しさ
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あたしは今、ベットの上に居るにも関わらず、寝転がらないで、壁によしかかって座って寝ようとしている。
やっぱ、寝づらい。
けど、やっと眠りに入りそうになった瞬間。
ドサッ

「んっ、ちょっとイタチ」

『・・・』

「夏は暑いって。眠いからねさせて〜」

『俺はこれが良いんだ』

なんて言って、いつものクールさが全然ないイタチ。実は甘えん坊な彼氏です。

「あたしはやーなーの。寝れないでしょ」

『俺もこうじゃないと寝れない』

「だーめ。夏にあたしを抱き枕にするのはやめて」

そう、イタチはあたしを抱き枕みたいに後ろから抱かないと寝れないの。
そりゃ、嬉しいし最初はドキドキしてたよ?なかなか寝れなかった時もあった。
だけど、夏にやられたら暑くて寝れるなんてもんじゃない。

『ナナシが座って寝るなら俺も・・・』

「もう・・・」

今日はもう諦めよう・・このまま頑張って寝るしかない!

「わかったよ。じゃあ、おやすみ」

『・・・おやすみ』コソッ

なんて耳元で言われるのも今はなれた。
暑さの方が勝ってドキドキもしない・・。




ドサッ!

え?

「何?イタチ?」

『やっぱこっちの方が寝やすいな』
なんて言って無理やり寝転がされた私。
イタチ、知ってる?シーツの上で寝た方が熱が溜まって暑いんだよ!

「もう、わかった!イタチ!これ使って!本物の抱き枕なら、ここにあるから!」

『・・・』

「なによ」
寂しそうな眼をするから思わず口に出てしまった。

イタチは何も言わず抱き枕だけ取って、いつもならあり得ない、あたしと出来る限り離れた所までずれて、背中を向けて寝ようとしてる。
こんな事初めて・・何かちょっと・・寂しい。

なんだろう?いつもみたいに暑くないけど
眠れない・・。

イタチが欲しい・・イタチの腕がぬくもりが・・。

「・・・・イタチ」

『・・・・なんだ?』

「やっぱ・・・抱き枕かえして?」

『・・・これは俺のだ』

「いや、あたしがいるでしょ?」

きゃーー。なんて事を言ってるんだ私は・・。

グイッ

「わっ」

イタチの・・腕の中。
いつもは後ろから抱かれてたから気付かなかったけど・・
イタチの鼓動が激しい。

「イタチ・・?」

『・・・』

ドキドキしてきた・・。久しぶりの感覚。
なんだろ?前から抱かれてるから?

「イタチ・・私、後ろからじゃなくて前からならずっと抱かれてもいい」

『・・・っ////』
もっと早くなったイタチの鼓動

「・・おやすみ」

『ナナシ』

その途端のイタチからのキス。
優しく、ゆっくりのキス。
たまに漏れるイタチの声。その声があたしをあおらせる。

『・・そんな可愛い事言ったらだめだろ』

「・・////」

『今より寝れなくなりたいのか?』

「・・///」

イタチの手があたしの頬に触れる。
そして今度は激しいキス。

甘えん坊な癖にたまに見せる男なイタチも嫌いじゃない。

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