▼*イタチのどり-む/短編

□*団子
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「・・・えっ?」

『・・おいしくないなど言ってない・・』

「だけど・・食べたくないって・・」

『俺は食べたくないとも言ってないぞ』
優しく微笑むイタチ。
そういえばこの笑顔にほれたんだよなあー・・

「じゃあ、なんで何も食べなかったの?」

『・・・』

「やっぱ・・・おいしくなかったの?」

『それはないな』

「じゃあ・・」

『おいしすしぎた。』

・・・・・・へ?

「おいし・・・すぎ・・た?」

『そうだ。ナナシの団子はおいしすぎた。』

「どういう事なの・・・かな?」

『おいしすぎたから、食べるのがもったいなかったんだ・・』

「・・そう・・なのっ!?」

そう言って覗きこむイタチの顔は真っ赤。
耳まで真っ赤だよ。
イタチって不器用なんだね。ふふっ。
ちょっと意地悪したくなってきちゃった。

「じゃあ・・・団子もう食べないでしょ?」

『・・・なぜそうなる?』

「もったいないなら、あたしがたべてあげよーう」

『俺もっ・・・・』

「ちょうど今右手に団子あるし、食べよーう」
そう言って、イタチの目の前でおいしそうに食べる私。
イタチが私にいじられるなんて・・イタチが可愛く見えてくる。

『・・・おぃ・・・俺も食べたい・・』

「だ-めっ、もったいないなら私が食べる!」

パクっ・・・・・って・え!

イタチが・・私の食べてる団子の反対側を食べようと口に居れてる・・。
イタチとの顔がすごい近い・・

「!!!」
団子を食べようとしていた私の口が止まってしまった。
だってね!イタチの顔との距離は団子一つ分はさんだ隙間しかないんだよ!

『・・・おいしい・・やはり』

「・・・って―!私が食べるって言ったのにぃ・・なんで食べちゃうのお!」
私がイタチをいじろうという計画があっという間に終わってしまったよ・・・
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