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□眠れない夜の話
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カズは電気の点いていない自室で目を開けた。

ベッドに入って数時間経つが、一向に睡魔が訪れる気配もない。
時刻はとうに日を跨いでいる。
カズはしばらくそのままベッドの上で天井を眺めていたが、寝返りをうって布団から抜け出した。
冬の冷たい空気が素足を冷やす。
小さく身震いをしながらそっとカーテンの隙間から外を覗くと、ちらちらと粉雪が舞っているのが見えた。
おそらく初雪だろう。


ふと思い立ち、CCMを開く。
メール画面を開いて一文だけ書き込むと、それをもう眠っているであろう彼へと送信した。
きっと彼のことだから、雪が降ったと知ったら大騒ぎするんだろう。

明日の朝、寝ぼけ眼でCCMを開くバンの姿を想像しながらカズは自分のCCMを閉じて、再びベッドへ潜り込んだ。


夜が明けて着信音が鳴り響くのは、まだ先の話。

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