ブック(長)
□だいじなこと
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『キバとヒナタが結婚する』
今日、そんな噂が木の葉の里中に広まった。俺は前からキバに相談を受けてたから別に不思議じゃなかったが、彼女であるいのは相当驚いたみたいだった。
「だって、あのキバがプロポーズ…」
なんでそんなに驚くんだと聞けば、そう答えが返ってきた。キバが聞いたら大激怒だろうが、正直多分同期のほとんどが同じ気持ちだろうと思う。
その噂の渦中から呼び出しがかかったのは三十分前のことだ。今すぐ来い、と伝書鳩まで飛ばしてきやがった。どうやらナルトとネジも誘ったらしいが、こっちはいい迷惑だ。が、断ったら断ったで面倒だと察し、仕方なく行くことにした。
「………で、何の用なんだ?」
「…実はお前らに相談があってよー…」
待ち合わせ場所の居酒屋に着くなり、キバがトーンを下げて話し始めた。昨日プロポーズしたヤツの声色とは思えなかったが、コイツなりの悩みがあるんだろう。
「俺、これから何すればいいんだ…?」
「はぁっ!?意味わかんねぇってばよ!」
「ナルトは黙ってろ!なぁネジ、シカマル!」
キバに怒鳴られたナルトは、何で呼ばれたんだとうなだれた。未だネジは黙っている。俺は仕方なくキバに向き直って口を開いた。
「何って…部屋借りるとか、婚姻届出すとか、式の日取り決めするとか…じゃねぇの?」
「う…い、以外と大変なんだな…じゃあ明日ヒナタと部屋でも…」
「ちょっと待て。一番大変なものが残っている」
今まで一言も言葉を発しなかったネジが突然口を開いた。それに反応して、俺とキバ、それにテーブル突っ伏してたナルトは反射的にネジの方に視線を向ける。
「おいネジ。何なんだ?その大変なものって…」
「簡単に言うと…ヒアシ様、だ」
「はぁ?ネジお前何言ってんだってば「ナルトは黙ってろ」
ネジは、キバの問いかけに極端に短い答えで返した。俺はともかく、馬鹿二人はおそらく理解不能だろう。またしてもやかましいナルトを黙らせて、再びネジに目線を戻した。
「お前、まだ日向本家に挨拶しに行っていないだろう」
ネジが半ば呆れたように言った。結婚するなら当然せねばいけない儀式のようなものだが、生粋のバカ犬はそれを忘れていたようだ。だらしない顔をして口をポカンと開けている。
「お前バカかってばよ!挨拶なしに結婚する気か!?」
「ナルトが言えることじゃねーと思うが…キバ、それはさすがにマズいんじゃねーか?」
「当然だ。日向は俺が継ぐことになっているが…ヒナタ様が嫁に行くのはそう簡単ではない」
ああ、そうだった。ネジは先日テンテンと婚約して、日向を継ぐことになったのだった。やはり娘は嫁に行った方が幸せになれるだろうというヒアシさんの意向らしい。…まあだからといってキバのところに簡単にいけるわけがないんだが。
「俺…明日行ってくる…」
「ああ、そうしろ。じゃねーとヒナタと結婚なんて夢のまた夢だぜ」
「ほんとだってばよ!俺なん「お前は黙ってろ」
またしても邪魔に入るナルトをテーブルに押しつけて、いつになく声のトーンが低いキバに目をやった。が、予想に反してキバは凛としていた。これなら大丈夫そうだな。そう俺はこいつの人生の大勝負を祈って席をたった。
負けんなよ、ぜってぇ
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ヒナタちゃんいない(^p^)
次は出てきます。
2012.8.19