BRAVE10 短編

□お、お前、近すぎ!
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この前の件があってから、鎌之介はなんとなく私を避けてるようなきがする。
怒ってるのかな。

片思い中の私にとっては、すごく寂しい。
目すら合わせてくれないし、今日も朝から森に出かけている。

帰ってきたら謝ろう。
引っ捕まえてでも無理やり謝ろう。





夕方、太陽も沈みかけの頃に、鎌之介は帰ってきた。
どこか寂しげな顔してる。何かあったのかな。
パンパンと自分の頬を叩いて、無理やり勇気を出す。なんでこんなに緊張してるんだろう。


『か、鎌之介!』

「……」

後ろから声をかけると、チラッと振り向き走っていった。

『鎌之介……』

ぎゅっと唇を噛み締めて泣きそうになるのをこらえていると、肩に手を置かれた。

「追わなくていいの?」

『伊佐那海……』

「この前の件から二人が話してるの見かけないから…心配だったんだ」

伊佐那海ちゃんはあの件の目撃者。
ほかの人(幸村様とか)が聞いてこないのを見ると、本当に秘密にしてくれてるみたいだ。

『うん…鎌之介怒ってるみたいだし。近づくとすぐ逃げてくし…』

「きっと照れてるんだよ!今頃部屋でいじけてるんじゃない?」

行ってあげなよ!と伊佐那海は私の肩を押し、走っていく。
「頑張ってねー」なんて振り向きざまに言われ、行くしかないか、と決心した。





『鎌之介…入るよ?』

「やめろっ」

鎌之介の部屋まで来て、障子に手をかけたら、声がして静止された。

『……ごめん。』

「千鶴…。」

『っ…やっぱ戻るね。ごめんね鎌之介。』

もう駄目。これ以上ここにいると泣いてしまいそうだ。
自室に向かって歩き出すと、鎌之介は障子を開いて私の腕を掴んだ。

「……っ何いえばいいのか分かんねぇけど!俺の方こそごめん。」

『っ…!』

なんだかもう私の中で何かか切れたような気がして。
無意識のままに鎌之介を抱きしめてた。
鎌之介は迷ったような手つきだったけど、私を抱きしめ返してくれた。

少し離れると、目の前には顔が真っ赤な鎌之介。
髪の色に負けてないほどに赤くなってた。
なんだか触れてみたくなって、頬に触ると鎌之介はビクッとした。

「千鶴……、お前っ」

『鎌之介のほっぺ、あったかいねー』

撫でるように触ると、さらに赤くなる顔。
それが何故か嬉しくなって、しばらく触っていると、鎌之介はボソッと。

お、お前、近すぎ…!



(ご、ごめん)
(べ、別に…)
(離れて欲しいなんて言ってねぇけどその…)
(?)
(〜〜っ!!)
ちゅ
(か、鎌之介!?今、ほっぺに…)
(お、お前のほっぺもあったかいだろっ!!)


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友達以上恋人未満な状態にしてしもうた。
これからどうすればry
鎌之介は恥ずかしくてほっぺちゅーしかできないとかだったら自分的に萌える。

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