BRAVE10 短編

□貴方が他の男の事を考えるからではありませんか
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お花見シーズン、春爛漫。
今日は上田城の皆さんとお花見に来ています。伊佐那海は才蔵にピッタリくっついてるし、佐助くんは野生の小動物と遊んでるし、鎌之介は他の花見客にちょっかい出してるし…。

六郎さんの方を見ると、幸村様のお酒を注いでる。なんだか、居場所がないみたいだなぁ…。
視線を落とし、持ってきたお弁当を少しずつ消費する。

「若、少しばかり。」

頭上で声が聞こえ、眼を向けると、六郎さんが立っていた。六郎さんは腰を下ろして、私を見た。

「千鶴、少しいいですか?」
「えっ…あの、……はい」



なんか、段々人気が薄れていきますけど…大丈夫かな?

「千鶴。」
「うっ」

行き成り立ち止まられ、六郎さんに飛び込んでしまった。

「ごめんなさい、離れます………っ」

後ろに下がろうとしたのに、何故か離れられません、六郎さん。上を見上げると、六郎さんの顔が見えた。そして、六郎さんの腕が私の背中に回されている。

「六郎さん?」
「少し、独り占めしても悪くはないでしょう」

そんな事言いながら笑うのは、反則ではないでしょうか。六郎さん、私の前で笑ったの初めてかもしれないな。いつも片目しか見えなくて、表情が読み取れなかった。読心能力なんて、私には無いから分からないけど。今の六郎さんは、なんとなく嬉しそう、かも?

「千鶴〜っ!!どこに行ったんだよ〜…」

鎌之介だ。この状態は見られたらまずいぞまずいですよ、六郎さん。

「六郎さん、あの、鎌之介が」
「心配無用です。」

心配無用ですか?…そういう能力を持っているのかな。

「ん〜?……千鶴!?」

見つかっちゃいましたよ、六郎さん。
普通に見つかりましたよ、六郎さん。
気づかないフリはやめて、六郎さん。

「てめっ、小姓!!##NAME2
##に何してんだ!」
「鎌之介、あのね、あの、私達は別に、そんな」

顔だけ鎌之介の方を向いて言う。そうすると、私に回されている手が少しきつくなった。

「六郎さっ、きつ…」

ふと、私と六郎さんの間に桜の花びらが落ちてきた。



「貴方が他の男の事を考えるからではありませんか」


「六郎もよくやるもんだわ」
「あ、アナスタシア!?」
「不埒」

佐助とアナスタシアが飛び出してきた。
どうする?

 たたかう
→逃げる 
/ ピコッ \




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