テニスの王子様 短

□キス
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突然視界が真っ暗になる。唇に暖かな感触と俺の背中に回された腕。



「おま、は?何してんだよ!」

肩を押し返して勢いよく後ずさると彼女は肩を揺らしながら笑った。

「キス」

照れる様子も無くさらっと発せられた言葉に顔が熱くなる。

「亮、耳真っ赤だよ」
「うるっせぇ!見んな!」

相手に隠すように山を作ってそこに顔を埋めてぐるぐるした思考を落ち着かせる。

「亮」

不意に頭上から聞こえてきた声に顔を上げると再び真っ暗になる視界。俺の頬に当たる細く柔らかい髪が少しくすぐったく感じた。徐々に明るくなる視界と唇から離れていく熱に寂しさを感じ…

…って

「凛子!」

顔が熱くなるのが自分でも感じられた。
ぷ、と笑みが漏れたことに焦ったのか口元を覆い俺から顔を逸らす彼女はごめんねー等と笑みと共に俺に吐き出した。

「謝罪する気ないだろ!?」
「亮がボーっとしてるから悪いんでしょー?隙ありまくりなんだって!」

そんな言葉に俺は立ち上がって彼女の元へと歩み寄る。
目の前にしゃがみ彼女の手首を掴んで体重をかけると床に彼女を押し付けて顔を近付けた。

「顔が熱くても耳が真っ赤で恥ずかしくても借りはちゃんと返さねえと気がすまねえんだよ」
「りょ、」

何かを発しようとした彼女の口を塞ぐ。
目を開けて確認した彼女は真っ赤で、俺は優越感に浸れた。




「ばーか、亮のばか」
「凛子もな」
「…ちょっとドキドキしたじゃん」
「させてんだよ」

「…ばか」

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