ダンガンロンパ 短
□唯吹の誕生日、下準備
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「って事なんだけど、どうしよう。」
「待て、佐々原。用件を言ってくれ。」
「ボクにも教えて欲しいかな。」
もうすぐ唯吹の誕生日だ、だけど私は唯吹に何も用意していないし何も考えていない。そもそも何が欲しいのか何をしたいのかが分からないので、考えようもない。
ということで“超高校級の相談窓口”と巷で有名らしい日向に相談を持ち掛けて部屋に招いたわけだ。
「そうだな、澪田だったら遊園地にでも連れて行ってやれば喜ぶんじゃないか?」
なるほど、遊園地か。日向はいい線を行っている。私が言える立場じゃないけど。
「ありがとう、日向。遊園地、考えとく。あと一つ聞きたいんだけど?」
日向の隣に当然のようにいるふさふさを指さして言う。
「なんで狛枝が居るわけ?」
「やっぱりボクなんかが佐々原サンの部屋にあがらせて貰うなんておこがましかったよね!」
いや、違うんだ。
「おこがましいとかそんなんじゃないけどさ、…まあいいや。」
狛枝の事なんて放っておこう、面倒くさいし、飽きたらすぐふらふらどっか行くだろうし。
今、私が考えなければいけないのは唯吹の事だ。大事な友達だから、豪華にお祝いしてあげたい…けど、それは金銭的な問題で無理。でもショボいお祝いでも嫌だ、私もきっと唯吹も。
うん、困ったな、本当にどうしようか。
「あのさ、日向…と狛枝」
「佐々原、どうした?」
「何か用かな、佐々原サン」
…用かな、って用がないのに呼ぶかよ!なんて狛枝を睨みながらも一応聞いてみる。
「何か欲しいものある?あ、私からね」
狛枝の目が鋭くなった狛枝、目怖っ!
「ボクは佐々原サンかな」
「真面目に答えないと一生口が開けれなくなるぞ」
「え?佐々原サンがボクの唇にその唇で栓をしてくれるって?しかも一生。そんなに嬉しいことはないよ!さあ今すぐしてくれないかな!」
「この…変態」
「ありがとう!」
「褒めてないから!」
「まぁ、夫婦漫才もそこまでにしてさ佐々原、澪田に直接聞いてみればどうだ?」
夫婦漫才?ふざけるなよ日向。
でもそうだね、一番言いのが本人に直接聞くほうが確実だし手っ取り早いな。
「じゃあちょっと唯吹に聞いてくるわ」
「おう」
「いってらっしゃい、佐々原サン」
とりあえずコテージにあの二人を置いて唯吹に聞きに行くことにした。
「見つけた、唯吹!」
「ん、あれあれ?葵ちゃんじゃないっすか!唯吹に用っすかー?」
「うん、今いいよね」
「うひょー!否定は許されないその眼差しに唯吹ずっきゅんきゅんっす!いいっすよ!」
相変わらず唯吹、今日も元気いいな…。
「唯吹って私から貰って一番嬉しいのって何?」
「ま、まさか葵ちゃんがついに唯吹のものになっちゃう的な展開っすか!?でもそうっすねー、唯吹はやっぱ葵ちゃんの愛の詰まったものなら何でも嬉しいっすよ!」
「あ、愛……」
「一番言いのが一日葵ちゃん独り占め券っす!何枚か束で売ってるとなおよしっすねー」
う、うむ…独り占め券。考えておくか。
「本当にそんなものでいいの?」
「もちろんっす、それとも葵ちゃんは嫌だったっすか…?」
あれれ、いつもの元気が一気に無くなったと思ったら今度は上目遣いで涙目だと…!
「ううん!私なんか独り占めしたって楽しくないと思ったんだ!別に私は嫌じゃないよ、唯吹好きだから!」
「まじっすかー?じゃあ両想いっすね!今から恋人っすか!?」
「うん。…………ん?」
「えっ!?まじっすか!?」
「や、や、ん!?ちょ、違うね!私ら女の子だね!」
「愛情に性別は関係ないっす!」
「えぇ!?」
「早速明日から式の準備をしないといけないっすね!」
ちょっと待って、話が飛びすぎ。
私は友達として唯吹の事が好きだって言ったわけだけど、唯吹は恋愛対象として私を好き?ん?
明日から式の準備って結婚式の事?でも日本で同性同士の結婚ってできたっけ。あ、あれ?
「わ、落ち着いてくださいっす葵ちゃん!ちょっとからかっただけっすよー!わーわー!創ちゃーん!こっち来てくださいっすー!!」
もうなんだか頭が混乱して唯吹が何を言ってるのか理解できない訳だ。
とりあえず今日はゆっくり休もう。
とりあえず唯吹の欲しいものまとめ。
・私の愛が詰まったもの。
・一日私独り占め券。
詳しくは明日から考えよう。