しょーせつ置き場

□笑顔禁止令
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「はぁ…ちょっと休憩するかな…」
目をほぐし肩を回しながらアスベルは窓の外を見た。いつもなら休憩時間にはソフィと談笑を楽しむのだが今はソフィはいない。喧嘩した、とかでは無く屋敷にいないからである。更に言えばラント領内にもいない。だからと言って家出と言う訳でもない。

今日は朝からソフィがバロニアまで出掛けているのだ。
理由はリチャードに会いに行くから。アスベルも着いて行こうとしたがが領主としての仕事をすっぽかす訳にもいかない。

「俺も一緒にバロニアに行きたかったな…リチャードとも最近あってないし…」
二人とも仲良くバロニアの街で散歩でもしてるんだろうか、と思うとあまり面白くないのは自分が行けなかったからだろうとアスベルは思った。正確には思おうとした。
なんて事を考えていたら執務室のドアからコン、コンとリズムのある音が聞こえた。

「誰だ?」

「私だよ、アスベル。ただいま。」

ソフィだ。バロニアから帰ってきたのだろう。先程の自分の考えを振り払いつつ返事を返した。

「お帰りソフィ。入ってきてもいいぞ。」

カチャとドアが開きソフィが入ってきた。

「リチャードは元気だったか?」

「うん、私の為に時間を空けて一緒にバロニアを回ってくれたんだよ。」
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