駄文置場短編

□アユ☆ラブ!
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僕の通う開城学園の購買は月に一度黒毛和牛のカレーパンが発売される。これが売られる日、購買は戦場と化す。
授業終了の鐘が鳴ると僕は一直線に購買へと向かう。このカレーパンは購買で作られているからかここまでカレーの匂いが立ち込める。僕は、本能のままにカレーパンへと走る。
人が少ない。いける。

そのときだ。
ゴツンッ!

「痛ッテー」
「ごめんなさいっ。」
僕は上を見上げた。
カッ、カワイイ!今日はツイてるぞ。
「大丈夫ですか。」
「僕は平気だ。それより君は大丈夫なの?足すりむいてるよ。保健室まで送ろうか?」
「ありがとうございます。」

保健室の扉には貼り紙が貼られている。
「少ししたら戻るので用のある人は中で待っててね by養護教諭」
……
「中に入っておこうか?」
「うん……」
こうして、僕らは二人きりになる。

「私の名前は宵町亜優菜(よいまちあゆな)といいます。アユでいいです。」
最初に口を開いたのは彼女の方だ。
「僕は来戸符成良(くるとふなるら)。ナルでいいよ。」
「ナルさん、私なんかに優しくしてくれてありがとうごさいます。」
「敬語とか固てーよ。タメでいいって」
そんな会話をしていたとき、ふいにアユが手をにぎる。心臓の鼓動が速くなる。
ドクッ ドクッ
「ナルくんの手、温かい……」
僕はアユの手をにぎりかえす。今なら僕の気持ちを伝えられそうな気がした。
「あの、えっと、す、す……」
なかなか言えない、「好き」の二文字。いつか君に伝えたい。

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