拾われウサギ お話
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「辰馬、本当にいいの?」
「どーせまた戻ってくるんじゃ。
それに、おまんとは江戸の町を歩きながら話したい」
「・・・・わかった」
そう言われ、辰馬の船に乗り込む。
晋助の船を直す前に離れたら、逃げたみたいに見えないかな?なんて思いながら。
でも、江戸には行きたいと思う。だって江戸には銀時と小太郎がいるんだから。
「船、壊れてない?」
「おう。わしの船は頑丈じゃき」
自慢にしていいのかな、これ。
「すぐ着くき、待っちょれよ」
「うん」
二人乗りの船、隣で操縦してる辰馬の顔をチラリと見る。
幼い頃の記憶と同じ。あまり変わっていない辰馬に、少し嬉しくなった。
「んー?どうした?」
「え?」
「笑っちょるぞ」
「あぁ・・・・うん、何でもない」
「何でもないのに笑うんはおかしいじゃろー」
「辰馬も、よくわからない所で笑ってることあるよ」
「そうじゃったか?あはははは!」
「ほら、また笑ってるー」
そんな感じで、私たちは和やかな雰囲気のまま江戸の地に降り立った。