拾われウサギ お話

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「ぅー・・・眠い」




「そう言うな。お前だって外の世界を見てみたいだろ?」




「・・・阿伏兎、だっこ」




両腕をピンと伸ばし、眠さを必死にこらえてまぶたを開ける。

それでも、今にもまぶたは閉じそうだった。





「だっこ・・・って、お前もう10歳だろうが。たくっ」




文句を言いながらも軽々とアリスを持ち上げ、片手で抱く。




「阿伏兎、お父さんみたい・・・」




よほど眠かったようで、言い終わるとすぐに夢の世界へ。

一方阿伏兎は“お父さん”と言われ、うれしいような悲しいような、微妙な心境であった。




「これをみたら団長がなんていうか・・・ハァ」




何度目か分からない溜息をつき、団長のいる食堂にむかうのだった。
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