◎book
□馬鹿じゃないのか
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私の彼は奥手だ。
世にいう草食男子。
なんであんなのが今人気なんだろう。
ハッキリ言って、こちとら毎日ムラムラしてます。
「えぇッッ!!!?あんたらまだヤってな…むぐぅッッ」
甘味屋で、勢いよく叫ぶ同期の口を慌てて塞いだ。
「ちょっと、声大きすぎだってばね!」
「いや、だってあんたら…
お泊まりしたこととかないの?」
「あ、あるわよ。
そんくらい」
「夜はどーしたのよ!
同じベッドで仲良くお寝んね!!?」
「ま、まぁ…」
「………」
友達からの呆れたような冷たい目線。
知らないよっ!全部ミナトのせいなんだからっっ
あたしはミナトという忍と付き合っている。
紳士っつうかへたれ。
優しいっつうかドM。
もうすぐで付き合って2年になる。
それでいて未だにちゅー止まりな純粋カップルです。
***
「あ、クシナ。」
友達と別れて、私は真っ先にミナトの待つ家に帰った。
最初は私の訪問に笑顔で出迎えたミナトだが、私の膨れっ面を見て顔をしかめた。
「…なんか怒ってる?」
「別に」
「そんな顔で言われてもなぁ」
へにゃりと、また情けない笑顔。
あーあ、
そういう顔に私はやられたのに。
「ミナトのへたれー」
「え?オレってへたれ?」
「任務以外ではね」
「そりゃよかった」
なにがいいんだ。
理解不能。
「…ねぇ、しないの?」
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