LAST BLOOD

□第二十三章
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鍍金が剥がれたノブを回せば、煙草の煙りの臭いが一瞬でレオンに取り付いた。その臭いに顔をしかめながらも、レオンは店内に足を踏み入れた。




薄暗い店内。アルコールと煙草の臭いに、数十年前に流行ったであろうロックバンドの曲が流れていた。


カウンターに目をやれば、この店の主人であろう男が煙草を燻しながらジョッキグラスを拭いていた。

レオンが近づくと、主人の男はグラスからレオンに目を移して、注目は?と尋ねた。




「いや、酒はいらない」



「ならここには用がないようだが」



「外にあったあの赤いバイク、誰のか尋ねたい」



男はジョッキグラスを置き、口から灰色の煙りを吐いた。



「客のバイクなんか知るかよ」



まあそうだよな。レオンはそう思い、違う質問にする事にした。




「じゃあ、ここに若い女が来なかったか?」



「特徴は?」



「そうだな…赤毛で、勝ち気な目をしてる。如何にも強そうな感じの」



男はもう一度煙りを吐いて唸った。そして暫くすると、閃いたかの様に頷いた。




「強そうな感じかわからねぇが、赤毛の女なら上にいる」



そう言って、入口付近にある階段を顎で示した。



「わかった」




ありがとう、とレオンは礼を言い、階段へと踵を返した。










    
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