LAST BLOOD
□第七章
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レオンは再びレベル4の部屋がある三階へと足を踏み入れた。またあの赤い奴がいないか、ゾンビがいないかと気を張りながら歩き始める。
「これは……」
調度十字路の所に出たとき、右の道へと血がポタポタと落ちている痕を見つけた。
奴らの血は赤黒く乾きが早いが、この血痕はそうではなかった。それに、さほど時間は経っていないだろう。
という事は、生きてる人間の?
「まさか…」
レオンは今自分の頭に過ぎった悪い考えを掻き消すよう、再び緊張の糸を引き締め直し血痕を辿るよう足を進めた。
一分もしない内に辿り着いたレオン。扉の前には自分が死へ導いただろう屍が横たわっていた。
その遺体を跨ぎながらレオンは扉の前へ行った。するとレオンを察知したのであろう、扉が勝手にシュッと開いた。
レオンは用心しながら中へ足を踏み入れた。荒らされている痕跡はなさそうだった。背中で扉が閉まるのを感じながら、辺りを見回した。
レオンは三歩歩んで、足を止めた。デスクと壁の間にある通路から覗く見覚えのある黒のブーツを履いた足を、レオンは見つけた。
「クレア…!?」
レオンはそれに駆け寄った。レオンの予想通り、"それ"はクレアだった。
顔は青ざめ、左肩の革ジャンには赤黒い穴が空いていてそこから血が流れ、薄く開いた唇から虫の息が漏れている。
レオンはクレアを抱き抱え、体を小さく揺さ振った。
「おい、しっかりしろ!」
うぅ…と唸るクレア。うっすらと瞼が開かれ、ブルーアイがレオンを捉えた。
「レオン…」
「大丈夫か?ウイルスを持って早くここを…」
レオンは後ろで何かが動く気配を感じ、素早く銃口を向けた。
「感動の再会か。泣けるね」
レオンに銃を向ける男。金髪を揺らしながらクスリと笑った。
聞き覚えのある声にレオンは眉をひそめた。
「お前が放送した奴か」
「大正解」
お互いに銃口を向けたまま、睨み続ける。
「うぅあ゙ッ……くぅ…ッ」
「!?」
後ろで苦しそうに唸るクレア。胸を抑えながら身をねじって、咳込み始めた。