LAST BLOOD
□第二章
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「ここね…」
AM05:45。
早朝だというのに、ロビーには通行者が途絶えない。白衣を着ている者、スーツの者、警官の制服を着ている者。
そこにクレア・レッドフィールドは居た。
黒のショートパンツから伸びた白い足にはホルスターが携えられ、黒のブーツはロビー全体に靴底を響かせている。
サングラスを外し、クリアになった視界を眺めながらエレベーターに乗り込んだ。
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応接室 B
レオンはいつもと違う格好をしていた。黒の革ジャンの下にはマガジンパウチを装備させ、腰の後ろにはサバイバルナイフ、そして、三つのガンパックをベルトに通し、愛用のデザートイーグルが、ホルスターに納まれている。
コンコンッ―
ドアがノックされた。自然と頭がそっちの方向かされる。
「Hello…?」
ガチャリとドアノブが回され、遠慮気味に部屋に入って来たのは正に、例の彼女だった。
「クレア?」
レオンが名前を呼ぶと、彼女は目を丸くさせた後ニッコリ笑ってこちらへ歩み寄ってきた。
「レオン!」
まず最初にアメリカならではの挨拶。
「久しぶりね」
「ああ、ほんとに。君は全然変わっていないな」
「そう?もうおばさんよ」
赤毛のポニーテールを揺らしながら、クレアはクスクスと笑った。
「だけど、レオンは変わったわね。なんか、男性!って感じになってる。筋肉もついてるし」
そうクレアは、やわやわとレオンの二の腕を揉んだ。
「まぁ、あれから鍛えたからな」
「そうよね、流石だわ」
二人が久しぶりの再会に浸っているのも束の間。書類を手にしたマイク次に応接室へ入って来たのだ。
「クレアだね?」
「ええ」
よろしく、とマイクは手を差し出し、クレアもこちらこそとその手を握った。
「申し訳ないんだが、先日君達に言い忘れた事が一つあったんだ」
そうだ。マイクは忘れっぽい奴だった。
レオンは改めてマイクの性格を知らされ、内心深く溜息を吐き出し、マイクに誘導されソファへとクレアと腰を下ろした。