LAST BLOOD
□序章
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潮風と波音に包まれた緑の高台。そこに静かに埋まっているのは、一つの墓石。
そしてその前に立っている一人の女性、クレア・レッドフィールド。右手には向日葵の花束が握られている。
「…スティーブ……」
この墓の持ち主の彼は、ここには眠っていない。今彼は何処で眠っているのかも、安楽にしているのかも分からない。
クレアは目に溜まった涙が零れる前に、左手で掬った。
「……じゃあね」
握った花束を墓石の前に置き、クレアは大きく深呼吸をして緩む涙腺をキツクし、クレアは下ろされた長い髪を一つに結った。
「Goodby」
彼女は姿見えぬ彼に微笑み掛け、高台の下にある愛車の元へと降りて行った。
―Steve Burnside
Love for you
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