Fall in your song!

□#27
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「お世話になりました」

深々と頭を下げて、周囲が申し訳なさと悲しさをない交ぜにした表情を浮かべる中、本人は明るい笑顔を浮かべている。
周囲に気を遣える子だから、つらいのに無理に笑ってこちらの後ろめたさを払拭しようとしているのだろう。
才能も人柄も手放しがたいものがあったが、上から言われれば従うしかない。惜しみながらも、彼らは別れを告げた。

――告げられた当人の笑顔が心の底からのものだとは知らずに。


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