Fall in your song!

□#01
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目の前には輝かしい少年たち6人と、専属の作曲家という可愛い少女1名。
が、みんな無言で状況把握に頑張っている。

「「「「「「「…………」」」」」」」
「えーっと、もう一度言いますね。今日からあなた方のマネージャーになりました、苗字名前です」
「……あの」

そっと手を挙げたのは、専属の作曲家ちゃん。

「えーと、七海春歌ちゃん! だよね!」
「あ、はい!」

ピッと背筋を伸ばした春歌に苦笑して名前は手の平を向ける。

「はい、質問をどーぞ」
「あの、さっき、年齢……」
「嘘はついてませんよー。花の17歳でっす☆」

ウインクしながら言うと、7人それぞれが唖然とした表情を形作る。

「……私と同い年、ですか」
「僕にいたっては年下ですよ〜」
「俺もだよ、シノミー」

皆が戸惑いの言葉を交わしている間に、名前は一人だけ立っているのが理不尽に思えてめんどくさくなって、椅子を引っ張ってきて座る。

「はいはーい。憶測が飛び交ってる中申しわけないです。どういうことか説明しますからー」

ピタッと収まった憶測話にニッコリ笑って彼女は言う。

「シャイニーさんにいきなりアメリカから呼び戻されて、何かと思ったら、卒業オーディションに受かったあなたがた6人のグループ・ST☆RISHのマネージャーをしてね、って話をされて。これでも一応、シャイニーさんからマネージャーって認められているので、仕事は出来る、と、思う。多分。っていうか、頑張ります。
ハイ、来栖翔くん、不安そうな顔しない!」
「まあ、社長のお墨付きというのなら、信用していいだろう」
「さすが聖川真斗くん。考え方は正しい。そういうことです」

そうそう、とばかりに青い髪の男の子に頷く名前に、赤い髪の男の子が笑う。

「ま、いいじゃん、よろしく、名前さんっ」
「よろしく、一十木音也くん。えーと、名前は分かるんですけど、それでも自己紹介をしてくれると嬉しいです。じゃ、まず私から」

名前が言って手を挙げる。

「苗字名前です。つい3時間くらい前に日本に帰ってきました。えーと、マネージャーでもあるんですけど、プロデューサーやアドバイザーもちょこっとやるかもです。まあ、これ、普通ですよね。あ、一番大事なこと言い忘れてた」

素直に首をかしげる人と、怪訝そうな顔をする人と、もう何を言われても驚きません、と構えている人。――聞いて驚け。特に最後のヤツ。

「みなさんに集まってもらったこの施設、今日から私たちの家です。それでもって、ここの監督官は私です! よろしくっ」
「「「「「「…………はぁ!?」」」」」」

よしよし。最後のヤツ―― 一ノ瀬トキヤも驚いたな。
しかし、神宮寺レンだけ面白そう、と言わんばかりに笑っている。

「レディとひとつ屋根の下。愉しそうじゃないか」
「あ、言っときますけど、女連れ込んだり、私と春歌ちゃんに何かしたら、容赦なくぶちのめしていい、とシャイニーさんの言葉を拡大解釈して賜っておりますので、お忘れなく」

ニッコリ笑った名前の背後に不穏なオーラが漂っていたのが見えたらしく、さすがにレンの表情も引きつる。
名前はパンと手を合わせて顔の横に持ってきて可愛らしく笑う。

「じゃ、そういうことで。今日からよろしくお願いしますねー、みなさん。一緒に芸能界の頂点、目指しましょうか」


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