Fall in your song!2
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音也の疑惑が晴れた次の日、名前は稚早と共にPV撮影を行っていた。
しばらく離れていた人の元に帰ってきて、その離れていた間も支えてくれた。その恩返しとありがとうを伝える。それが曲の内容だった。
だからその内容に合ったPVを撮影しているのだが、なかなか順調だった。よって、一発オーケー。
「「お疲れさまでしたー」」
二人でスタッフに挨拶をすると、着替えるためにメイクルームに向かう。
ぐっと背伸びした名前に、今まで穏やかな笑顔を浮かべていた稚早が表情を曇らせた。
「……名前」
「ん?」
哀しそうな表情で、稚早は何かを期待するように問う。
「朝の話……気持ちは、変わらない?」
「……うん」
「そっか……」
しゅんとした稚早に罪悪感を覚えたものの、やはり名前の気持ちは変わらない。
ずっと考えていて決めたことだ。変わっているならとっくに変わっている。
あとは、彼らにも話さなければならない。
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