Fall in your song!

□#04
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翌日、朝。
寝ぼけ眼で現れる者、すっかり目が醒めている者、低血圧気味なのか不機嫌そうな者、と様々な状態で現れた6人の前に、名前と春歌は朝食を並べていく。

「みなさん、おはようございます。朝食はしっかり食べましょうねー。はい、『いただきます』!」
「「いただきます」」

少し眠たげな空気が流れる中、名前はさっさと食べ終わって説明を始める。

「えー、昨日も言いましたが、このあとはデビューライブに向けての練習…っていうか、これからずっとそんな感じなんだけど、みなさん今まで練習してきたみたいですし、昨日だって練習していたようですし、今日はみなさんの実力を見せてもらおうと思います」

言い終わる前に、名前の言葉を聞いていた7人はぎょっとした顔で彼らのマネージャーの顔を見つめる。

「名前さん…知ってたんですか?」

春歌の呆然としたような問いに名前は首を傾げる。

「何を?」
「昨日私たちが練習していたことですよ」

トキヤの言葉に、名前はああ、と漏らす。
彼らは名前が寝るために部屋に戻った後、全員で練習をしていたのだ。わざわざ名前が寝たのを見計らってやったというのに。
ニッコリ笑った名前は人差し指を顔の横に持っていく。

「ちょっと嬉しかったなー。私を驚かせよう、だっけ? 誰かそんなこと言ってたよね。だから昨日は歌声を聞かずに寝かせて戴きました」

言った当人である音也が空を仰ぐ。

「ハードル上げちゃいましたね〜」

那月が困ったように笑う。
彼らのマネージャーは立ちあがってドアに向かった。

「期待してますよー。では、9時に昨日みなさんが練習していた場所でお待ちしております」


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