Fall in your song!

□#02
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『生活に必要なものを持って、15時までに施設(ここ)に戻ってきてくださいね』

マネージャーの言葉通り集合した6人の男子と1人の女子は、言った当人が遅れてくるという現状にそれぞれの反応を示していた。
そんな様子にお構いなく、名前は図面のような紙を広げる。

「さてさて、ざっくりこの施設内の構図――構造? ま、どっちでもいいや。を、お教えしましょう。地上二階プラス地下一階で構成されているこの施設は、生活に必要なものと、仕事上で必要なものを大抵揃えてあります。歌とかダンスとか、そういう練習するスペースは地下一階に。一般家庭で言うリビングや、大浴場、洗面所など…プラス、女子の部屋があるのが一階で、二階は男子の部屋があります。ここは寮とは違って一人一部屋ですよー。以上! 質問は?」
「部屋割はどうなっているんです?」
「あ、忘れてた。どうしよっか」

トキヤの質問に、今気付いたとばかりに名前が笑う。
目に見えてイラッとしているトキヤを音也がまあまあ、となだめにかかる。
しかし、どうしよっか、と言った割に、名前は決めるのが早かった。

「うん、面倒だから、男子は端から五十音順で」

けれど、決め方が適当だった。

「あ、そうだ! 食事はなるべくみんなで摂りましょう! ってなわけで、7時にこのリビング集合で! それまで各自部屋で整理なりなんなりしていてください。春歌ちゃんは部屋まで案内するからついてきてー」

じゃ、解散☆ と手を振って自分の部屋へ向かう名前に、男子6人は眉根を寄せる。

「なんかさ、あの強引さ…自由さっていうの? 誰かを思い出さない?」

音也の言葉に頷いた一同の脳裏には、全員同じ人物が浮かんでいたのは言うまでもない。


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