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□我が主の幸せを願う
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唐突だが、我が主は恋をしていた。
その相手と言うのが魔物なのだから、右腕、そしてお世話係の立場としては素直に「おめでとうございます」とは言えなかった。
我が主は月の女神だ。
月から溢れる力で人間達の行く末、病、世界の状態をコントロールすることができる。それ故に、人間達は見苦しくも猫なで声で彼女にせがむのだ。助けてくれと。
勿論優しい彼女は助けるだろう。それが利用されているとわかっていても。
そんな彼女が魔物との関係を作るなど、一体どんなことがあったらそうなるのかと、私は頭を抱えた。
彼女には幸せになってほしい。今まで利用されてきた、優しくも哀しい人である彼女には。先日、魔物を初めてみた。なかなかの美青年で、優しそうだった。彼女を利用しようとする様子もない。
彼なら、と考えてあることに思い出す。魔物と女神。所詮は正反対の存在。交わって、最後に待つのは破滅だけだ。どうにか二人の幸せが叶う方法はないかと、書斎の本を片っ端から読んだが結局はバッドエンドのことしか綴られてなかった。ただひとつ、方法があったとすれば、彼女たちを転生させること。それしかなかった。困ったものだと、頭を抱えた。そう考えていればいつのまにか月日は経ち、破滅の時はやってきた。
あれから、どれだけの月日が経ったのだろう。もはや1000年は経ったのだろうか。
彼女は、今自分の生徒として魔導を習っている。そしてその傍らには必ずあの魔物がいる。そして、魔物の彼もまた、私の生徒だ。
今度こそ、幸せを掴んでくれることを私は祈っている、が前世のこともあるがゆえ簡単ではない。私はいつでも彼らのそばで見張っているのだ。二人が再び神、魔物として覚醒しないことと、二人の邪魔をするものを。
今日もあの二人は幸せそうで、先程も中庭の木に隠れて口づけを交わしあっていた。まったく、その様子といったら微笑ましいものだった。
彼女に記憶はなくとも、どんなことがあっても私は彼女の味方だ。
「さぁ、午後も頑張りましょうか?ポポィ」
そう、何があっても。
出会ったあの時から誓った忠誠は、今でも・・・
end
--------------------------------------------------<あとがき>
内容がぐだぐだ・・・スランプ期が来てしてしまったみたいです。(去年もこの時期に来たような・・・)
リクエストのシグアミでした!内容は特に指定されておなかったので自分で考えたものにしました。