バーティミアス夢小説置き場

□white
1ページ/4ページ



「はあ」

大きなため息をつき、ジョン・マンドレイクは車のドアを音を立ててしめた。
革のシートに体をゆっくりとしずめる。
車が動き出した。

マンドレイクはメイクピースの相変わらずつまらない芝居を見に行ってきた帰りだった。
それだけでも疲れるのに今回はありがたくないオマケ付きだった。

マンドレイクは腕の中にいる赤ん坊に目をやり、また盛大にため息をついた。

メイクピースから回された赤ん坊。
しかもメイクピースの子供ではない。
メイクピースが知り合いの大物魔術師にしばらく旅行に妻と行くので面倒を見て欲しいと押しつけられたのだ。

もちろんメイクピースは預かった(相手が大物だからだ!)。
しかしうんざりしてきたのだろう、友達(だとマンドレイクは思わないが)のマンドレイクに預けたのだ。
メイクピースが首相と仲が良くなければ断わっただろう。

マンドレイクは悪態をついた。

僕にどうしろっていうんだ?

その時、運転手、もといバーティミアスがグリンとこっちを振り返り、マンドレイクに声をかけた。
「何だ、ご機嫌麗しくなさそうだな?」

どうした、と言いかけて止まった。
ついでに目の前の信号も赤になり、車も止まった。
マンドレイクの腕の中のものに気付き、信じられない、というふうにバーティミアスが目を丸くした。
「誰との子だ?」

マンドレイクはうんざりして呻る様に言った。
「僕の子じゃない!!」

そしてイライラしながら早口でバーティミアスに説明した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ