その他夢小説

□理想と現実
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※ダレンが若干病んでます
※Yのお話。カーダが捕まって処刑が決まった直前。

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「なあダレン、理想と現実って違うな」
僕はカーダが閉じ込められている死の間にそっと忍びこみ、カーダの檻の前に座っている。
見張りに気付かれず忍びこめたのは奇跡だと思った。
バンパニーズの尋問(もしくは拷問)で手薄になっていたのかも。
そして、僕はまだ処刑されるかもしれない身なのだ。
もう問題は起こせない。
「そうかな」
少し間をあけて、僕はカーダに答える。
「冷たいな」
そう言って苦笑するカーダ。
多分、カーダのような人間にとっては、理想と現実の一致は大切なんだろう。

命を、賭けられる位。

「ダレンは、どう思う?」
僕には分からない。何に対する質問かも。
そもそも僕に理想なんて無い(処刑を免れることを除いて、だ)。
家族のもとへ帰ることはもう無理だと諦めているし、今更帰っても混乱させてしまう。

だから代わりに、
「僕はそんなカーダが好きだったけどね」
素直に想いを溢れさせる。
実らなくったっていい。
どうせこの愛した人間はすぐに死ぬのだ。

カーダはびっくりした顔をして、そのあと嬉しそうに、弱々しく微笑んだ。
「俺も、だ」
溢れ、零れ、落ちる。想い、涙。

苦しくなった僕は何も言わずにその場を離れた。
もう2人で話す事など不可能なのに。





ああ、そうだねカーダ。





理想と現実って、違うや。






僕の頬を伝う涙は、自分の部屋の前に来るまで止まらなかった。












アトガキ

ダレンはカーダを死なせたくは無いけれど、カーダは一族を裏切り、何より仲間が死んだ原因の男。
許したいけど、許せない。
そんなちょっと矛盾した感情を持っていれば良いと思います。
萌えます。私が←

ここまでお付き合い、有り難う御座いました!(何か誤字脱字、間違い等があればお知らせ下さい)

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