復活夢小説

□ワレモノ
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「ボス!」
イタリアに在る綺麗で大きな城のホールに、私の声が反響する。
「なんだ」
私の呼びかけに不機嫌さを纏ったボス、ザンザスが振り返る。

なんのボスかというと、巨大ファミリー、ボンゴレの暗殺部隊ヴァリアーである。
ちなみに私はその幹部。

「納得いかないです!なんで私だけ次の作戦時、待機なんですか!?みんな戦うのに!」
私が髪を振り乱して叫ぶ。

反響しては消える私の声。

「うるせえ・・・」
真っ赤な眼で、睨まれると息が出来なくなりそう。
「・・・ッ!すいません・・・でも納得いかないんです!私を出さないのは・・・
・・・・・私が・・・女だから?」
勇気を振り絞りなおもボスに訴える。
もしも私が女だという理由なら、命令に背いても出るつもりだった。

女だから弱い、とかそういうのが私は世界で1番嫌いだ。
帰ってきた答えは。

意外だった。
否。

それはボスの声じゃなかった。
「う゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛い!!!!」
キーンと反響する声までもが大音量。
こいつの喉どうなってんだ、と思いつつ後ろを振り向くと。

予想通りスクアーロが立っていました。
予想大当たり!ぱちぱちっ!
「うっせえ!!ふざけてんのかテメエェェェェェ!!!」
「うっせえのはテメエだカス鮫が!」
ボスの細く、長い脚がスクの鳩尾にクリーンヒットし身悶えするスク。
誰かさんみたいに吐きはしないけどね。
するとスクがよろよろしながら私をキッと睨みぼそぼそしゃべりだす。
小声のスクってレアだなーとか思いつつスクの言葉に耳を傾けた。
「お前を・・・待機にさせるのは・・・クソボスさんが・・・お前を心配・・・してる・・・からだあ」

「・・・え?」

ボスが私を心配してる?
まさか。

「うるせえ」
今度は殴られたスク。
ぎゃああとか叫んでるけど、私には聞こえなかった。
ボスが私を心配してる?
繰り返し同じ疑問を浮かばせる私。
スクがホールから逃げるように走り去って行った。
・・・いやまあ、ボスの制裁により、ヨロヨロと、だけど(というか何しに来たの?)。

「・・・ハンッ」
カス鮫が余計なことを。とか何とか呟いて、ボスは私を見た。
「・・・・・」
気持ち悪い沈黙が部屋を支配する。
逃げたしたい・・・・
スクめ・・・

スクを呪っていると不意に視界が暗くなった。

「?」

スクを呪った天罰か!?と思いきや。
近くでボスの声がした。
「まどろっこしいのはめんどくせえ。」
やっと状況が理解できた。私、ボスに抱き締められてる・・・?
「あのっ・・・ボス・・・」
ボスの顔を見上げた。
「うっせえ。待機にしたのはお前が足手まといになるからだカス」
酷いことを言いつつも顔がまっかなような・・・。
私の願望?気のせい?
「私、大丈夫ですから」
この期に及んでもこんなことを言っている私が恨めしい。

「てめえはすぐ割れそうだからな」
「割れませんよ。ワレモノじゃ無いんですから。」
「ハンッ。つべこべ言わず俺に守られてろワレモノ」
「ワレモノじゃないですってば。・・・でもそれって。守ってくれるって事ですか?」
「・・・・感謝しやがれ」
「・・・はい。ありがとうございます」
ボスにぎょっとされた。
「なんで素直なんだ」
「どういう意味ですか?」

私は。
強く在りたかったけど。
貴方の前ではワレモノでもいいかなって。
そう思えました。

貴方だけのワレモノですよ、ボス。

いいですよね?そんな私でも







「ですが待機は断固拒否します!せめて援護射撃くらい・・・!」
「出さねえっつってんだろうが」
「う゛ぉ゛ぉ゛い!まだやってんのかてお前らぁぁ!!」
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